温泉に浸かった後、barで飲みました。私は酒というよりもその空気が好きで、たまに本を読みながらbarで一時を送ります。
プロヴァンスの修道院で創ってる『peche』という名の桃のリキュールをテイスティングし、北海道の地ビール、『ひぐま濃いビール』という黒ビールを飲みました。
‥と、ここまでは普通に美味しいお酒なのだけど、問題はこの次に口にした、ヴィンテージ・スコッチ『The macallan 1977 serial-298 』です。
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これは凄い、‥というか、お酒を飲んでる、というよりも、何か別の体験をしてる気がするくらい不思議な体験でした。
喩えると、口の中やお腹を柔らかなシルクで優しくふわっ、と撫でて貰う様な、そして創り手の心の世界や、スコットランドの風景や伝統の世界が、突然目の前に現出するかの様な、それはほとんど美術館で芸術品を鑑賞するのと同じ種類の体験でした。
驚きました。。。。。 たぶんこれこそ、嘘偽りの無い、本物のお酒の世界なのでしょう‥。
今まで人生で飲んだ中でも、最高のお酒のテイスティングの瞬間でした。
これは1977年製のビンテージなのですが、スコッチのロールスロイスと形容されるmacallanの中でも、一切の混ぜ物をせず、樽から直だし手作業で瓶詰めしたものです。
つまり同品質のものは、一つの樽からとれる数十本のみです。それは二度と同じ味には成りません。それに数十年寝かせる課程による経年変化が加わり、創り手のスピリッツと自然の偶然が生み出した産物です。
たまたま、メニューにも載せて無く、これが最後の一杯、というのを頂きました。
私は今し方スコットランドに旅して来た様な至福に包まれました。。
マスターと一時ソウルフルな話題を楽しんで、最後に林檎の生絞りジュースを飲んで帰りました。
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