2008年09月25日

new unit

 今日は新ユニット"XI"の初顔合わせです。先日の3人+シミケン(ken G)のテナーが入ってどうなるか?でしたが、非常に面白いサウンドに成りました。


 個人的今日の主題は、zeppelinの『幻惑されて』をフリージャズに変化させた曲、ルパンのエンディングテーマのバラード、コルトレーンの黄金カルテッドのe.g.での再現、などにありました。

 こういう変な事を、さっき書いた譜面で初見でやってもらいました。

 結果は思った以上のレスポンスでした。このユニットは凄いユニットに成りそうです…。お客様の数はぼちぼちだったのですが、皆さんの反響がいつもにも増して良かったです。またぜひ聴きたい!との御要望でした。

 実際ここ最近のライブの中で、今日はダントツの出来でした。
 
 シミケンは明日朝早くNYに発つそうです。次回、この新ユニット『XI』のライブは12/25X’masの日にporcsheでやります。これマジメにお勧めライブです。

 
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 11月に予定してた、ロンドンから来る凄い人のライブが彼の仕事の都合で延期に成りました。。 ライブハウスからメディア出演まで、ばっちり私が仕込んでおいたのですが、、。まぁ春まで楽しみをとっておきませう。詳細はその際発表します。
山口でこんな人を聴けるのは、なんかもう異常な出来事であります。日本の「一流」とか言ってる人など、仕事内容では彼には全然叶わない。そういう凄い人です。皆様、来年春までお楽しみに。


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 さて、私の主宰するsalon d'Orange music societyのライブを12月に行います。こちらも詳細は追って発表します。乞御期待!


'08 9/25 XI at porcshe set list

(1st jazz set)
Bitch's dance
cause we've ended lovers
four on six
ルパン3世愛のテーマ
layla
dazed and confused

(2nd alternative mixture rock set)
cross road blues
 summertime - raggae
 my funny valentaine -6/8
 misty -drum'n bass
 morning of carnival -heavy 16
afro blue

(encore)
death letter blues


posted by サロドラ at 00:00| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月06日

凡河内躬恒


 音楽ネタが続いていますので久々に書道ネタです。

 課題の週で今年はしつこく古今集を攻めていますが、今月は子供から大人まで、凡河内躬恒の和歌の全文の臨書をしています。(しかし小学生がこんな難しい練習してるのは、全国でも、我が会くらいじゃないか???)

08932.JPG


 「遅利乎多爾 須恵しと曽おもふ 散起しよ利 いも登わ可ぬ累 東こ那つの花」                                  

 読みを現代的に表記すると

 「塵をだに、すゑじとぞ思う 咲きしより 妹我がぬる 常夏の花」


 現代文に直訳すると、

 「塵をさえつけない様に 育てています 咲いてから 妹と私が寝る 常夏の花(撫子の花)


 現代風に翻訳すると、

 「撫子の花が咲いてから、塵ひとつつけないくらいに、可愛がっています。まるで君と僕が寝るべッドの様に…。」

                  (注釈 妹=身体を許した恋人 とこなつの花=撫子の花) 



  エロい …………………。なんだかまるで加藤和彦の「僕のそばにおいでよ」みたいじゃないか?

        

  要するに、これはラブレターな訳です。ここまで読解すると、平安貴族の雅びと粋の世界がちょっと解ってきますね。

   現代ではメールとか手紙(もう書かないか?)で、「ねえ、君、好きだよ。」とか「今夜どう?」とか、もう動物並み猿並みに、直接的表現を現代人の我々は日常してる訳ですが、平安貴族の女性の誘い方はこんな風だった訳です。

 こんな和歌を筆でさらさら〜っとしたためて、従者に渡して相手の女性の届ける。読んだ貴族女性はこれを読解して相手の気持ちを察する知性を要求される訳です。‥しかしなんて優雅でお洒落なのでしょう!?


 特に夏の季語「とこなつの花」に、「大和撫子の様な美しい君」という意味、更に「とこなつ」の「とこ」を「床」=ベッドの意味を掛けた上で、情熱的に夏に咲く花に喩えた、我が心の恋の情熱、即ち「僕は君を抱きたい」という気持ちを、暗喩的に表現してる所が絶妙です。ダブルミーニングを超えてトリプルミーニングな訳です。

 常夏の花、という決め言葉たった一言が、ここまでの奥行きを持っているのが驚きです。(因に三島は学習院時代、こういった古今集の奥深い世界を恩師から教えられ、その後あの文学世界を生み出すのですが、三島文学の決定的核心は、やはり古今集でしょう。)

 これは私が音楽レッスンで、歌詞のライティングについて、いつも教えてる事ですが、この暗喩=メタファーを如何に巧く使えるかが、良い詩を書くポイントです。名曲は、必ずこれがもの凄くうまい。タイトルの言葉一つで、世界がぱぁ〜と広がって出来てしまうのが良い詩です。

 日本の平安貴族ってこの時代に、もうこんな凄い事してた訳ですから……、しかも全く実用的に! 

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 で、これを読んでる現代日本の粋でダンディーな男性諸君。

 この和歌を一つ、練習してさらさら〜っと書いて意中の人にどうぞ渡して見てください。「何よこれ? わかんな〜い」などとほざく馬鹿女だったら、即効止しましょう。あなたは一生苦労します。


 しかしもしも、「まぁ〜!」などと言って即座に気持ちを理解する女の人が居たら、これはもう国宝級に凄い女ですから、どうぞ一生大事にしてくださいまし。  by さろどら




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posted by サロドラ at 14:17| 書道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする