2009年02月28日

merry christmas mr.lawrence


 先日は『XI』の226ライブと銘打ったライブでした。今日でこのセッションは3回目に成ります。前回にせよ今回にせよ、たまたま日取りを決めたのですが、前回はクリスマスライブで、今回は226。何か因果を感じます…。

 前回同様、沢山の方がライブを観に来てくださり誠に感謝です。

 そういう訳で今日に相応しい選曲を考えて、やはりこれだな‥と思った『戦場のメリークリスマス』のテーマ。

 226について改めて調べたのですが、首謀者の青年将校、磯部浅一は山口出身なのです。で、色々本を読んでる内に感銘を受けたのは獄中日記です。あと彼が中学生の頃は私の近所の辺の人が、面倒を見てたらしいのだけど、その逸話も妙に泣けました。ミシマの晩年も結局、この磯部の思想をなぞってるふしがあります。

 で、あの大島監督の戦メリで坂本龍一が演じているのは、226の生き残りの将校という設定な訳です。

 この映画、リアルタイムで見てるけど、dvdで改めて見て新たな感動がありました。はっきりいって日本映画では最も好きな映画の一つです。
 
 で、ジャズバラード版の戦メリ、当日リハで初めて皆で顔を合わせて弾いてみましたが、演奏しながら感慨を感じました。日本が誇る映画音楽をスタンダートとして取り上げるのも、本当の意味でジャズらしいのではないでしょうか?70年前のアメリカの映画や舞台の曲だけではなくて。

2/26 XI set list

 bitch's dance
 purple haze
 ribbon in the sky
 merry christmas mr.lawrence
 coracao vagabundo
 la joi vraire jaune
 ain't no love in the heart of city
 my funny valentaine

 uncore
 dazed and confused


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  今日はboogie houseの24周年記念イベントに、友人fくんを連れて顔を出しております。

 ↓いつもながら御参集の濃い皆様
09328.JPG

  3曲くらい弾いてイベントライブを眺めておりました。これからもboogie house,頑張ってください!


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posted by サロドラ at 00:00| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月11日

coldplay


 http://www.coldplay.com/

 このバンド、デビュー時からずっと好きでしたが、グラミー賞を獲得するまでになったのですね‥。売り上げが700万枚だもんね。個人的には1st,2ndを愛聴しておりました。ライブDVDまで持ってたりして。

 特徴はvoの人の曲のライティングがまず素晴らしい。哲学的ですらあり、ポストモダン文学の香りのする歌詞、シンプルで強い曲、サウンド的にはgtがまたちょっと変わったアプローチをするのだけど、決してエフェクト等のギミックに過度に頼らずにしてるとこが渋い。

 こりゃ世界的に売れる筈です。現代の世界の世相を表現できてるバンドですね。
 
 こういう感じのバンドがやはり英国から登場するのですなぁ‥。

 思うに、この時代に寄り添った音楽、というのがリアルタイムに良い音楽なのだけど、単純なメッセージを使わずにメッセージを伝えてる、という事が大切です。

 この人達にしても、海外の女優さんにしても向こうの人気のある人って、凄く社会性が高くて、社会問題にナチュラルに対峙してる気がする。

 かたや、我が国のアーティストなり表現者‥それも人気のある人は、ちょっと幼稚過ぎです。彼等は世界に目を向ける素養が無いのかな? そういう無能者が持ち上がっていくシステムはやはりね、間違いです。これは私達の意志だとか、責任だとか、そういうものが欠如してる結果じゃないかな。これは国家としての意志、責任、といったものを あまりにも回避し過ぎた結果なのだよね。良いアーティストは国内にも実は沢山いるけど、支持する側のレベルにしか全体は染まらないものね。これって政治の責任でもある。責任なんて知らん、って政治家ばかりだけど…。
 
 ま、こういう事は身近なとこで変えていきます、個人的には。  

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http://tv.foxjapan.com/fox/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/572
 amrican idolの今シーズンが始まりましたな。TVを普段一切見ないのだけど、これだけは別。こりゃ異様に面白い。

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 ミシマの『葉隠入門』を読んだ。ここに書いてある事はこれまた明晰なのだけど、その哲学には全〜然承服しないかな。ある真実だけど、個人的には辺境の真実に過ぎない。サムライ文化とは何か?、このあたり、熟考の余地あり。

 面白かったのは安保闘争の精神構造を開陳したくだり。

 戦時中には、死の衝動は100パーセント解放されるが、反抗の衝動と自由の衝動は完全に抑圧されている。それどちょうど反対の現象が起きているのが戦後で、反抗の衝動と自由の衝動は、100パーセント満足されながら、服従の衝動と死の衝動はなんら満たされる事がない。〜〜中略〜〜〜 私は安保闘争はその電位差の一つのあらわれだと思う。安保闘争はじつに政治的には複雑な事件で、あれに参加した青年たちは、何か自分の身を挺するものを捜して参加したにすぎず、かならずしもイデオロギーに支配されたり、あるいは自分で安保条約の条文を精密に研究して行動したわけでもなかった。彼らは相反する自分の衝動、反抗と死の衝動を同時に満たそうとしたのである。

 しかし、安保騒動の挫折のあとにきたものはさらに悪かった。自分が身を挺した政治的行動は、一種のフィクションであり、死は現実にはこず、そして政治な結果は何ら満足すべきものでなく、あらゆる行動のエネルギーは、無効であったということが確認されたのである。ふたたび、現代日本において青年たちは、「お前たちがそのために死ぬという目標はないのだぞ。」と宣告を受けたのだった。
                      -葉隠入門より引用-

  ここで述べられている電位差の解離は、21世紀の日本では更に過度になっている‥と思える。新聞のニュースを賑わず事件のかなりの部分がこれで説明できるから。

 昨今の顕著な例で言うと、派遣人員の集団解雇。あれは人員を切らざるえない経済事例をだけ問題にしてるけど、実は派遣の仕事をしている人達の内面の真実は完全に無視している。彼等はここで述べられている「目標はない、と宣告を受けた青年」の最たる例ではないのか?

 何かのために死ねる。。これは現代日本では誠にありがたい事に自分で捜すしか無いのです。私はこれは本当に良い事だと思ってます。そんなもの、昔の侍や戦時中の様に、他者に勝手に強制なんぞされたくは無いからね…。

 自分がそこに死ねるテーマくらい、自分で捜そうよ、皆さん。そんな大切な事を人に任せちゃダメですよ。

 今は『悪しき時代』なのではなく‥、間違いなく『良い時代』なのですよ。たぶん…、もっと良くなることでせう。


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posted by サロドラ at 19:59| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする