2020年01月09日

Life in 12 bars 〜12小節の人生〜 Eric Clapton


 http://ericclaptonmovie.jp


 公開当時近場で上映されてなく、しかももっぱら世間ではボヘミアンラプソディーばかりが取り沙汰された感があった、、けれどオレが観たいのはこっち。

 電車で一駅乗ることすら正直死に物狂いな為、正月は動かず延々映画を観続けた。そういう自分の魂にすばりとアタックしてきたのは、連夜延々と観続けたスターウォーズのシリーズ全作を遥かに超えて、たまたまやっと観たこの作品。もちろん、人気があったボヘミアン〜よりも1000倍素晴らしいドキュメンタリー作品だった。もうこの事実自体が、まるでこの作品に描かれる事のすべてを語っていて、皮肉にも面白い。

 なぜか世評もあまり無い。…ので、ここに書いておこう。ま、わかってる人はくだらない言葉を何も言わないのだろうね…。

 だから言わない方が賢明なのだろうが、40年以上ギターに人生を賭けて生きてきた身分としては言ってもおきたい事が、この映画には、ある。

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 ドキュメンタリーって意外と難しいものだが、役者が演じるとどうしても無理がある。ボヘミアン〜もジョブスの伝記映画も、このハードルで頓珍漢な大失敗になってしまった、と私は思っている。幾ら本人を上手に真似ても、結局全然違うからね、そりゃ。。。特にアーティストって本人自体があまりにも実体を追求して優れているので、架空の人物を肉付けする訓練ばかりしてる役者じゃ技術的に無理だ、そりゃ。。

 で、この作品は、こんな映像よくあったな?という箇所が随所に多く、本物の未公開映像を交えた、まるで生前に出版された自叙伝の様な仕上がりになっている点が斬新だ。

 本人の声で語られる当時のリアルな声や事実、今まで公開されなかった本人の自筆の生々しい手紙、、などで映像が紡がれてゆく。



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 本物と偽物、その違いだ。

 観ていて痛感したのは、それ(SOMETHING ELSE)、だ。



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「18歳の頃、アートに囲まれた生活に夢中になった。フランス文学を学び、フランス映画や日本映画を知り、ボードレール、ケルアック、ギンスバーグ、スタイベックを読んだ。でも中毒になったのはブルースだ。輸入レコードを買い漁った」

「ビートルズは内心、小馬鹿にしていた。でもジョージのギターは斬新だ、と思った。金切り声を挙げるファンやリスナーの誰も聴いてないけど。僕ら(ヤードバーズ)だけがそれを認めた。それはヒットとか知名度とは別の話だ。それでジョージとは仲良くなった」

「当時影響を受けたのはギターリストだけじゃない。歌手や、そしてインド音楽などにも影響を受けた。ビスミッラーカーンはよく聴いた。彼の楽器の様な音を出したかった」


「ジミヘンドリックス : イギリスのソウルブラザーの彼の唇にキスしたんだ」

「ジミは思考がシュールで話してると最後には話が、UFOとか紫のベルベットの月の話になるんだ」

「アーメット(アトランティックレコード社長):クリームはビートルズよりもストーンズよりも、絶大な人気があった」

「BB キング : 物静かな男(エリック)とジャムをした。彼は熟練のベテランの様に時間のパズルをあてていった。ギターリストはテクだけじゃだめだ。ギターで物語を語れないと。彼の物語は極上だった」

「誰かにもらったペルシャの本があった。レイラとマジュヌーンの恋の物語だ。救われない悲劇の恋…英雄は砂漠を彷徨いアッラーに魂を捧げ孤独に死んでゆく。それは自分だと思った」


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 ボヘミアン〜で大学生時分のメンバーがレコーディングスタジオでおかしな作業をしてる、というシーンがあるけれど、あれはジミヘンがエレクトリックレディランドでやってた作業を真似ようとしてた、というシーンである。そんなジミヘンは、クリームの頃のクラプトンを真似ようとしてたら、クリームを遥か超えて行き過ぎてああいうスタイルに成った。



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 偽物でも修練すれば、それなりには成る。でも本物には成れない。ましてや、人間が偽物な上に修練しない奴、さらに本物の体験も積まない奴、はクズ以下の環境汚染並みの粗大ごみだ。そんなクズ以下の粗大ごみがアーティストの顔して、しかもプロだとぬかしてウロウロしてる。
 
 そういう業界や世界は破壊されてしまえばいい。

 それは人類にとって公害で環境汚染だ。

 偽物とは何か?

 愛の無い人間だ。

 音楽をしていながら、音楽をさして愛してない人間だ。

 音楽をしていながら、話の中心が音楽にない人間だ。

 おい、よく聴け。そこのおまえのことだよ。


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 という訳で、この映画は観たほうがいい。

 あまり人は観てないらしいけれど。(…ってか、わからん馬鹿が観るな。)

 以上。


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…と言った魂の激しい怒りを剣で斬る様に表現するツール、それがギターだ。



 それはいつしか、優しさに変わる。








posted by サロドラ at 21:04| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする