
皆様のおかげで無事終了。今回のイベントは予測よりコロナ第8波の足が早く、どうなるかと思ったのですが、なんとか盛況に終わって良かったです。皆様本当にありがとうございました。
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全21カ所の全国ツアーの山口公演だったのですが、1日余裕を見て御到着。今回はゆっくり歓談できました。
前々からラーメンマニア(?)のマチューさんに推していた近所の老舗ラーメン屋の江戸金さん。(その職人魂にワタシは密かに畏敬の念を持っております)
前回、前々回といつもタイミングを外して、今回も危うく…というギリのタイミングでしてが、オーナーさんに駆け込んで「ちょっと店閉めるの待ってて!!」とお願いし、やっと食べた、といふ…。。笑
結構、このお店は全国的にラーメンマニアの間で知られていて、先日もお忍びで、シンガーの一青窈さんも来訪されていたそうです。
今回はなんとパリからわざわざ食べに…。。
これを皮切りに全世界のラーメンマニアがここに来始めるのではないか?、と、ワタシは睨んでおります。
なにしろパリでは物価高騰もあり、ラーメン一杯が下手すると3000円くらいで、ワインとあわせると5、6000円(!)などという狂乱ぶり。
皆様、非常にご満足された様で嬉しい。
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と、まずは腹ごしらえをして、温泉へ!!
フルート奏者の木村さんは今回は1歳、3歳のパリジェンヌの娘さんを連れての超強行ツアーで、今回はホテルでゆったりと休んで頂き、マチューさん、ケヴィンさん、ワタシの3人で、紅葉の映える老舗温泉で、皆で露天風呂に浸かりました。
こういふ温泉文化も、仏蘭西には無いそうで、泡風呂やら、こくこくと流れ出る源泉の熱い湯に疲れた体を浸すと佳き、…などとワタシの温泉マニア魂がムクムクとうずきつつ解説。ツアーで疲れた身体を癒してもらいました。
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ゆっくり温泉に入った後は、教室に帰宅して、3人で前打ち上げ。
この秋の季節にだけとれる、山口が誇る樽から汲み出したばかりの生原酒の東洋美人〜槽垂れ〜をご用意。
パリの音楽事情、諸々、ディープな話に花が咲きます。
で、就寝。
(なんか、部活の合宿っぽい…。)
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翌日、朝9時頃から仕込み開始。
機材セッティング、サウンドチェック等をして、ライブ準備終了。
今回の赤れんがホールは、コロナ中に建物補修、設備改装を終えていて、ステージ照明、空調なども新調され、コロナ対策はばっちり。
新しくなって初めてライブ使用しました。
何しろ、ここはワタシにとっては数々の思い出の場所で、まだここが廃屋だった頃、小さな子供時代に数々の悪戯をして遊んだ場所。
そして、山口に帰って最初に個展、ライブをしたのもこの場所。
オルフェウス読書会を始めたのもこの場所。
人生のエポックメイキングな出来事は、いつでもここでした。
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この建物は大正期のイギリス風洋風建築で、明治期創建の県立図書館書庫として建造され、国の指定文化財として保存されています。
さらに、ここは江戸期にお茶屋といふ名の参勤交代時に萩までの中継所として大きな旅籠があった場所で、明治維新時、ここに維新の錚々たる志士達が、密約、密使として近代日本創建、革命の為の会談を重ねた場所。
その当時すでに現山口大学の前身となる私塾の大きな講堂がここにあり学問の殿堂でもありました。
ワタシはこの場所こそが、近代日本のみならず、現代日本語の原郷だと看做しています。
さらにそれ以前の室町時代には、大内氏の大邸宅がこの周辺一帯を覆い、フランスから来たスペイン人のザビエルが、日本で最初にキリスト教の布教を始めたのもこの場所で、目の前の京都の鴨川を模した川の辻で、辻説法などをしていた場所です。
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そんな由緒ある場所で、21世紀の今、芸術の歴史深いパリで醸成される先端音楽と、ワタシが開発中の"音楽の歴史自体をねじ曲げる楽器と音楽"を融合させる、などといふ異様な面白き事をしている、といふ…。。
なにか深い縁、見えない力を感じる…。
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サウンドチェックが終わり、目の前にある、瓦そばのお店で、マチューさん、ケヴィンさんに昼食を振る舞いました。
マチューさんは宮本武蔵の大ファンで、吉川英治から井上雄彦のVagabondまで熟読し、五輪書をピアノ、音楽への姿勢のバイブルにしているといふ猛者。(ワタシも同様なり。笑)
近年、パリでも武蔵を題材にした演劇『MUSASHI』の音楽を担当したそうです。
初めて食べる彼等に、この瓦そば、といふものは、ワタシの家系のルーツでもある下関あたりの食べ物で、武蔵のラストファイト、小次郎との決戦をした巌流島もあり、戦国の野戦中、九州のサムライ達が瓦を鉄板代わりに焼いて食べたのが、瓦そばの原型で、これぞサムライの食べ物なり、…などと、いちいち説明入りで食べました。
とても美味しかったそうです(笑)。
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開場まで時間があるので、五重の塔まで3人で行きました。
この建築の哲学を説明し、ほんの少し五月雨の様な雨が降る、紅葉の美しい風景を3人で眺めました。
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さて、やっと開場。
ここまでこぎ着けるのに、どんだけ人知れず苦労したことか………。。。
なにしろこの季節、ワタシの病状は最悪で、歩いていて突然倒れそうになったりする始末なのですが、これも集客の為、いや、音楽の美の為、いやいや、違う、音楽の神への自己犠牲、…などと心で強く念じながら、ふらり、ふらり、とそこら中を歩いては、ポスターやらフライヤーやら、頒布してみたり。。。
演奏するのと、これは全然違う苦労なわけで、演奏の苦労なんぞ無に等しい。99%、人には知られぬ音楽とは全然関係無き苦労、、、といふのがコンサートイベントの実体であって、その報いとは、演奏自体の強烈な喜びなり。
決して、それは銭、金の為じゃない。
なにか、自分にも本当はよくわからない、"崇高な何ものか"の為、、、。

自分はそれを確かに信じている。
フランスから来日してこんな過酷なツアーをしている彼等も皆、同じ心情だと思ふ。
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本番の演奏は、ご覧くださった皆様の観られた通り、のものでした。
最、高。
あぁぁぁぁぁ楽しかった。
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一応、記録を残してあり、音源をプレイバックして聴くと、その内容があまりにも良過ぎて、安易にyoutubeなんかに出して良いものかどうかさえ、よくわからん。。
ん、、まぁ。。。
しかし、それでも、これは記録に過ぎぬ。
音楽は、刹那に産まれ、刹那に消える。
だからこそ、音楽。
だからこそ、もう他者との安易な演奏を一切ストップしているワタシも、敢えてご一緒させて頂きました。
我々は最も純粋なミュージシャン魂のみに賭けている。
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本番の演奏は、ご覧くださった皆様の観られた通り、のものでした。
最、高。
あぁぁぁぁぁ楽しかった。
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一応、記録を残してあり、音源をプレイバックして聴くと、その内容があまりにも良過ぎて、安易にyoutubeなんかに出して良いものかどうかさえ、よくわからん。。
ん、、まぁ。。。
しかし、それでも、これは記録に過ぎぬ。
音楽は、刹那に産まれ、刹那に消える。
だからこそ、音楽。