2025年02月27日

夜の音楽 〜 Night Music




 今日、2/27は旧暦1月=祝月の最後の日。


 日本古典文学の世界、本来の日本人の肌感覚の世界を実際に眺めたくてこのところ毎年、旧暦の正月に正月飾りをしてみたり、などしてお正月めいた行事を新暦とは別に…。


 いにしえの美しい言葉と自分が一致する。その感覚が味わいたくて、何か奇特な事をしてみるのだけど、世の中を見渡して、少なくとも自分の至近距離周辺に、そんな人は誰〜〜も見当たらない。



 ぽつ〜〜ん、と、ただ一軒だけ、通りがかりの人々からすれば意味不明に正月飾りが飾ってある教室玄関。



 ますます、ありゃ変わったやつだ。などと思われかねない。




  違う。



  この身からすれば、あなた達、世間さまが「変わった世界」なのである。

 (なんだか村上春樹も大好きなドアーズのアルバムタイトルみたい…)



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 さて、そんな風情を生きる身からすれば、あの遠く、三蔵法師などは命懸けでシルクロードを旅して渡ったインド。


 そこは、今や中国をも抜き去って人口14億超の人々。日本、世界の深刻な少子化の逆世界。
  

 ちょうど旧暦 祝月の最後の日、かの地では夜を徹して神を讃える祭祀で盛大に盛り上がっておる。


 インドの暦は、月の満ち欠けが基準で旧暦に近いけれど、ちょっぴり独特で、いまだによくわからない。


 で、ふと何かの雰囲気、風の流れ、風の頼り、とでも言う感じで、その盛り上がりに釣られてみる。


 何しろ、あのパリピな盛り上がりは、数千年どころか、数万年は延々、連綿と続いている。


 彼らからすれば、SDGsなんて最近のへんな言葉は、巨大な「?」に違いない。



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 だいたい、音楽ってのは、なにか時間を忘れてしまうもので、昔からずっと不思議に思ってたことの一つだけど、音楽とか楽器の練習って8時間、9時間、なんて時間が、アッ!という間で、なにか時間の外にワープしたのではないか?と思うほど短い。


 これが日常の8時間、9時間だと、あら昼休みか、まだあと半分、、なんて人が世のほとんどで、時間とはいかに相対的なものか。


 なにか好きなことに熱中、集中してるとこういう現象もよくあるけれど、それともちょっと違う。


 あれは音楽特有の現象で、音楽をただ聴くのとも違う、音楽の中に、音の内面に、魂を込めて全身で没入してる時にだけ起きる不思議な現象。


 明らかに時間が極端に短くなる。



 ***


 で、今夜はあちらでは12時間、神々の音楽に何億人かの人々が没入しているのである。


 そもそもインド音楽、あの本来の古典音楽では一曲を一晩中、、なんてのが全然普通で、こっちの世界の音楽のあまりの短さ、せっかちで、世知辛く、くだらない世界から眺めると、もうなんだか呆気に取られるのだけど、音楽への没入経験が長年積み重なる身からすれば、寧ろそれこそ自然、純粋な音楽行為。

 
 3分の曲のイントロは数秒、サビまで…なんてアホなことしてる連中(全員○漏か、お前らは♐)なんぞには爪の ‥ …

 
 
 こちらの世界ではたったの6、7分の曲で『大曲』呼ばわりされかねない。

 
 あっちは、7、8時間で1曲。


 
 それも昼間なんぞにはやらない。


 必ず、夜、である。


 夜の世界とともにそれは必ず、ある。




 『音楽』、がそういうもの、なのである。

  
 
  
 ***


 この数年、そういう現代日本に心底嫌気がさしたのか、(いや日本語に嫌気がさした、と、思い込んでいたが)、夜通し源氏物語研究に没入していたが、やはりそこで思わず目を見開いたのは、平安時代のかの優雅な人々はやはり皆、夜更かし、夜通しで何ごとか楽しそうな事をしている上、楽器まで持ち出しては、わらわらと人が集まり即興ジャムセッションに朝まで興じ耽っておる、ではないか??



 ここで、ようやく日本。この身が死ぬほど嫌いだと思ってた日本。と、ひっそりと夜の闇の中で和解し、そうか、そうか、俺もお前も同じ人種である。ぜひ、仲良くしようじゃないか、などと思い始めたのである。



 ***



 で、平安時代よろしく、夜通しインドの人々の様子を現地生中継であちらこちら回遊しながら(便利な時代である)、夜通しインドの神々を讃えに讃え、できれば日本の神々も讃えたい気も、いやギリシャの神々も…、などとも思うのだけど、まぁ12時間は没入して過ごした。


 この日は特に、そういうことに向いてる1年に1度の貴重な日らしく、どうにも気分がいい。


 1年の厄災を全て落とせる、とのこと。


 

 ***


 
 で、晴れ晴れと朝を迎え、異様なスッキリ感、気分の良さ。


 白色のクリーミーな晴明な空気、とでも形容したくなる朝。


 気分よくホットミルクでも。


   
 ***


 で、朝のニュース記事でも、とおもむろにネットを開くと、、、、何か粗雑なゴミの山に顔を突っ込むような、、、ゲェぇぇ、、、、で、SNS類を開くと、、、、、、、、さらに醜悪な、、、、、、、、、、


 なんなん、おまえら???????????



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 はて、どこかでこの感じに、、、と、思って記憶を反芻すると、そうだ、まさに20代の時、数ヶ月ふら〜りふらりとインドから帰ってきて、成田空港に着いた途端、エアポートバスの中で、いきなり些細な事でイガミ合う眼鏡男を目の前に見た瞬間、、


 を、思い出した………。


 しかもそこは如何にもインドらしく、飛行機は丸々半日は遅れ(あそこでは、実によくある出来事)、航空会社指定のホテルに滞在し、ケララ州出身のタミル語(古代日本との類似性を指摘される言語)を喋るビジネスマン青年と仲良くなり、見た目は真っ黒なまるで違う顔、人種なのに、ものの感じ方、情感のツボ、が妙〜に似ていて、懐かしい馴染みの同級生とつい偶然旅先で出会った…という奇妙な感覚、すらした、、



 そんなことを思い出した。



 ***


 日本よ。日本にお帰りなさい。


 こんな荒廃を今後も生き続けるなら、こんな国なんぞ滅んで当たり前。


 まずは、旧暦へ。


 日本が、純粋に愛すべき日本であることを、心底、願う。


 インドの神々にも心から魂からお願いしておいた。
 

 この身から自然に発する祈りは、異常に強い力があるらしいから、きっと早急に叶うに違いない。


 もしや、令和はほんとに平安時代になるやもしれぬ。 


 ***


 まぁ、しかし、、近年のLiveは一晩とはいかぬまでも、、、1曲、90分とか全然普通〜のこの身………。

 観たお客さんも、演ってるこっち側も、あっ!という間の妙に短い時間だった、と、皆さま口々に呟いてたけど…。






 音楽は深まれば深まるほどに、インドっぽく、いや平安時代っぽく…。




 そろそろLive、したいなぁ…。 
 


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posted by サロドラ at 07:07| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする