2016年12月29日

稽古納め


 書道の授業も稽古納めをしました。

 こちらも今年は、色々な変革を試みましたが、一番の収穫は、永年使用していた墨液を一切使用しなくなったことです。

 稽古時間の関係上、どうしても時間短縮の為に墨液を使う教室が全国でもほとんどだと思います。


 
 真実を追求する今年は、ここにも深く思うところがあって、思い切って墨液の使用を完全に断ちました。


 実際にやってみると、予想外の副次効果もとても多い。


 まず、墨を擦るのが単純に上手に成ります(笑)。

 そして、やはり天然のものは、墨液と違って、筆や硯などの道具を傷めない。


 で、もっと重要なことだけど、筆の使い方、筆運びが、とてもシビアになる。滲みやすい、掠れやすい、線の運びの陰影が全部出てしまう。よくインチキをして、こっそりとなぞって書き直したり、なんて事がすぐにバレてしまって出来ずに、誤摩化しが効かないので、書くのがより難しくなります。…ということは、やはり上達がより早くなります。


 急がば回れ、の言葉通りでした。横着をして墨液を使って稽古するよりも、この方が結局は話が早い。

 そして、まぁ墨がなくなれば墨液を足して…、なんて緩さがおのずと許されないので、気持ちの集中の度合いが高まります。


 っと、いう訳で結局は良いことだらけでした。

 なぜ、最初からこうしなかったのかしら?と不思議に思ったぐらいです。


 私が子供の頃から、書道、お習字は、墨液で書くのが教室でも学校なんかでも普通だったし、よくて墨液に水を足して墨を擦るくらいでした。思えば、あの頃、食べ物も添加物、化学調味料全盛の時代だったですね。そこになんの疑いも誰も持っていなかった。

 食卓には味の素。

 硯の中には墨液。

 思えば高度経済成長の古き佳き時代は、"間違い"の始まりの時代だったのかも知れません。


 

 書の内容も、失なわれた深い真実への矯正をモチベーションとして私は日々の稽古をしているのですが、墨液、というのはあまりにも身近過ぎる盲点になっていたのだ、と自覚しました。

 作品制作用の高性能の墨液も勿論あるし、ある場合にはその効果を使用しもして来ましたが、個人的にもうそんな気も一切しなくなってしまった。




 そして、今年最後のお稽古は、清書のみの唯一枚。


 たぶん、これこそ、書の真実です。



 ベテランの方は、王羲之の蘭亭序をもうずっと稽古して頂いていますが、王羲之は、あの崇高で精巧な作品を公衆の面前でライブ即興で書いた訳で、本人でもそれを後で再現できなかった。

 そこにこそ本当の真実がある、と思います。


 一発勝負。


 やり直し、無し。


 その線は、消せない。




 これは私が音楽でも永年、追求する真実でもあります。その即興性。だからこそのリアリズム。自然な精気。演技無しのリアルなエモーション。



 それはまるで、瞬間に口からついて出た、詩的な言葉。



 それが書道であり、音楽であり、魂の真実の世界、それが三つで唯一つのもの。


 その境地が、低いか、高いか、それだけが問われるべきものではないのか?


 それに似せた、見せかけの精巧さは、結局はすべてフェイクで、虚飾で、誤摩化しで、要はただの嘘っぱちで、がゆえに、最後には危険なものですらある。

 
 王羲之の蘭亭序は、完全即興の言葉であり、書跡であるがゆえ、誤字、脱字の修正が数カ所ある。でも、むしろそれが作品のリアルさを高めている。


 音楽のミストーンも、ある場合にはそれ自体が美しい。

 私が生で経験した、巨匠が奏でる芸術的最高レベルの演奏時に、それは必ず、と言っても良いほど、そのような美しい"綻び"をよく見かけた。


 逆にミスも無い、また"ミストーンが無いこと"を眼目に目指したコンテスト用の演奏や作品などは、正直、とどのつまりは"手芸"であって、魂の芸術作品には概してほど遠い。


 そのような高いレベルの綻びには、まるで人生や世界の秘密の美しさ、不完全であるがゆえの美しさまでが、閉じ込められている。


 日本の美術作品や美学には、その不完全、不条理を、造形美にまで高めている逸品も多い。




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 そういう訳で、稽古は早々に終了したので、こちらもスターウォーズプロジェクトのスピンオフ。題してローグワン(笑)。




 70枚の半紙に、一枚だけニコちゃんマークを書いておいたのをシャッフルして、ロシアンルーレットみたいに、一枚一枚ひいて、ビンゴをひいたら死亡、という、生き残り戦。




 
 最初に集中をして、1/70の確率を切り抜けるフォースを試すゲーム(笑)。これは僕が10代の頃に実際によく遊びでしてた超能力者の秋山氏が提唱してたカードによる能力開発トレーニング法を改良した方法です。



 優勝者は、今回の7閃光ライブのポスターのピンクのJAPAN帽子とキャンディーとサンタ靴をプレゼント。


 結果は……



 おもろいことに、前回のケーキ争奪戦と、完全に同じ順位だった、という…。


 ……………。。。。…これ事実自体が、何かフォースのミディ=クロディアン値の実験証明になってる気も…?



 王羲之の蘭亭序のあの崇高な高みに達するのに必要なのは、やはりフォースなのではないか?という確信をどうも薄々感じている今日この頃である…。





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 ルーカスがスターウォーズのサーガを完成させたちょうど1975年に、ヨーダ似の亡き父が書いた宇宙創成と人徳を重複漢字無しでえがいた古来書道定番お手本の千字文の作品を掲げてみました。



posted by サロドラ at 13:44| 書道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする