2017年10月17日

Chamber Metropolitan Trio : from Paris  Japan tour 2017 山口公演






 今年はゆったりとお茶でも飲んで何もしない、という事にやる気を持ちまくる私です。そんな私に、おいおい、おまえなんかしろよ…とでも言う天の声の様にオーガナイザーをさせて頂くことになった今回のライブ。そこはやはり"天の声"だけあって、大変に素晴らしいライブでした。



 まずは、昨年に続きmusic society研究生への、セミナーから。

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 今回は私の要望で、あくまで用意を何もして頂かずに、普段の素のままのライブ・リハーサルをして頂き、インタープレイを中心として私のホストで、目の前での実際の生演奏とともに詳しく解説して頂くという形式でして頂きました。そもそもメンバーの皆さん全員、パリで非常に高度な音楽教育の洗礼を受けていらっしゃる訳で、教授くださるポイントも実に的確です。


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 ミュージシャンとしては、本番前ライブリハは普段はあまり人に見せない、というか、あまり人には見せたくは無いものですが、そこを敢えて見せて頂き、実際のライブを鑑賞する、という体験は、音楽演奏者にとって非常に貴重な体験です。


 特に、マチューさん率いるChamber Metropolitan Trioは、その内容の緻密さ、トリオの役割配分の柔軟さが実に素晴らしく、一般リスナーからすると、一体何が起こってるのか高度過ぎて、よく解らない、という瞬間が多いのではないかと思います。


 特にその"解りづらい部分"を、実際に使用しているスコア譜、パート譜から、どの様にメンバーが楽曲を解釈、構築し、インタープレイに膨らませているか?という、ジャズという音楽の最もスリリングで面白い部分を、3人それぞれ場所からの意見を伺い、実に面白かったです。


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 マチューさんの楽曲は、とにかく変拍子によるポリリズム(複合リズム)が多いのですが、それがよくあるプログレ系ロックバンドがよくする表面的な変拍子のリズム解釈と全く違い、特にその部分の考えをご教授頂くことでが出来て非常に興味深い内容でした。

 彼らのリズム解釈は、変拍子を更に1.5で割ることで、4/4や2/4の様に聴かせ、更にそれを大きな尺で捉える方法で、一見、聴感上は極自然に聴こえる(変拍子には聴こえない)、というまるで『だまし絵の様な』方法です。そういうアンサンブルを、どうやって普段は練習しているのか、などを詳しく解説頂きました。





 前回は主に音律の側面から、色彩を生み出す方法の解説だったのに対して、今回はリズム解釈の側面から、バンド・メンバーによる色彩の生み出し方が主体でした。前回のセミナーと今回のセミナーで合わして、やっとこの美しいバンドサウンドの全貌を見える、という具合です。


 また『音による会話』とも言えるインタープレイは、私達が普段自然に話す会話と同様に、ミュージシャンにとっては非常に無意識的なもので、解説することがちょっと難しいのですが、リハの時点で、既に音楽による深い対話が始まっている、という側面が垣間見れてとても面白かった。


 こうした生の体験は、教則本、個人の反復練習、個人レッスンの受講、ましてやyoutube動画などでも絶対に得れない、貴重な学びの場です。


 会話力、というのは言葉に於いても、音楽に於いても、『直接の自然な体験』からだけ育っていくものです。特に高度な内容を話し合うのは、個々のロジックの積み重ねや錬磨による持ち寄り、によって初めて成立するものです。

 
 このバンドの会話は、非常に高度で繊細な場所で常に会話が成立している。

 それが実によく解りました。



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  さて、研究生は最前列に全員かぶりついてもらって(笑)、実際のライブ本番です。平日にも関わらず、今回はとても多くの方にお集り頂き、メンバーの皆さん共々、感謝感激でした。



 まずは私から皆様にご挨拶をさせて頂き、ライブ開始。


 まずは1stアルバム収録の"金閣寺"から。


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 2曲目は、NASAにもその技術が取り入れられてる、という日本人の三浦公亮氏の折り紙を題材にしたとても美しい楽曲。宇宙で活躍する日本の技術を、音に変換して表現しています。


 2ndでは木村百合子さんもゲスト参加して木村さんの楽曲"Merci,merci,merci"をChamber Metropolitan Trio versionで。




 アンコールに、さろどらもサプライズ飛び入り参加。スローブルースを(やたらとエレガントなスローブルース!)。

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 今まで、色々なミュージシャンと共演した中でも、最もエレガントな味わいのブルースだった気がします。


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 あぁぁぁぁぁぁぁ楽しかった。ってか、久しぶりにギター弾いた‥。やっぱギター弾くのはいいわ…(笑)。



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 で、打ち上げに皆様のリクエストで、やっぱりラーメンを食べた(笑)。パリだとラーメンって高いそうな(日本の2倍以上の値段)、しかも不味いらしい。そりゃ水が違うから、パリのあの濃厚なフランス料理の世界が育った訳で、ラーメンは確かに無理だと思う…。

 全員、味に納得してました。

 我々の極普通は、案外贅沢極まり無いのかも。。因みにフランス料理は、日本の方がパリよりも約3倍くらい高いお値段だそうな。



 さて、まだまだChamber Metropolitan Trioのツアーは続いていますので、お近くの方はぜひライブに足をお運びください。

 "メインストリーム"などと云う馬鹿馬鹿しい概念で、形骸化した演奏する輩が昨今の世界中に実に多い中、彼らはクリエティブなイノベーションを維持し、今、息をして生きている、本物のジャズ、本物の音楽、をヨーロッパの感受性によって、とても真摯に演奏していますよ。



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posted by サロドラ at 07:07| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする