2021年07月01日

ラ・フェト・コモンス・ライブ#1 クリアー




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 さて第一回目のパーティーの始まりライブが皆様のおかげ様で無事終了しました。お世話にになった皆様、ご来場くださった皆様に深く感謝いたします。


 今回三回で音楽、詩、芸術表現が完成するコンセプトですが、第一回目の隠された主題は『守』。


 私達はそれぞれ定型の表現スタイルを何十年か経験してるのですが、今回は経験値から来る"型"を主には主題にしています。しかし、それはあくまで保守の"逆向きの型"。

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 まずはsaxの花田さんの独奏。saxの無伴奏独奏は、ジャズなどのスタイルの音楽では特にあまり無いスタイルですが、今回はワタシの無理なリクエストに特別に答えて頂きました。

 
 伴奏がある時とは音色すらも違うものが要求される、これはプレーヤーにとって素っ裸にされる恐ろしさがあるのをワタシ自身も重々承知してます。


 また、和音の縛り、リズムの縛りが無い分、またそれらによる"説明性"が無い分、非常に抽象性が高い音楽に聴こえる。これこそワタシの狙いでした。


 またぜひ挑戦して頂きたい。(御本人は結構たまったもんじゃない、でしょうが…)


 管楽器に於ける音楽表現の未来の形の萌芽がここにある、とワタシは睨んでおります。


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 そして桑原さんによる、詩のパフォーマンス。裏の楽屋で花田さんと二人で聴いてましたが、「凄いね、彼」と花田さんがこっそりワタシに耳打されて、ワタシも無言で同意して聴き入ってました。


 山口に来られて、たびたびオープンマイクの折などに、短い詩の朗読などはされているのですが、ガチの長尺パフォーマンスの独演は、ここ山口では初お披露目でした。


 桑原さんの表現者としての"真価"、それに山口の詩、文学界隈の皆さまがガッツリと触れる機会を演出できた事を、ワタシとしては非常に嬉しく思っています。


 ワタシは、あれこそが詩の本来の在り方、文字文化が生まれる以前の、古代から連綿とある詩というものの力、が最大限表出されている、と考えます。



 ワタシは書の世界、文字の側から普段言葉に触れる者として、また言葉、それも現代日本語というものを「ほとんど信じていない音楽」という見地の場所にいる者として、その間隙を見事に埋める"詩"の世界を見せて頂いた、言葉の本質を見せて頂けた、と思っています。


 昔、ギリシア時代に文字文化が生まれる瞬間に、ソクラテスが危惧した事、それはそのまま言葉の歴史となり、さらにそれは文学の歴史となったのですが、何か言語というものの重要な片面が失われたまま、(文字と紙の発明によって)言語が扱われてしまう世界を私達は2000年近く生きている。


 しかし、現在、テクノロジーが進化し必ずしも、紙や文字を記録媒体にせずとも、本来、何千年か、何万年か、やってきた言葉の営為、その力の発現は、やはり発音された音にこそある。


 さらにそれは、音楽と同じく、生の発音のVibeでこそ、その力を最大限発揮する。


 これこそ、唯の古代への先祖帰りではなく、未来の詩の形を示唆しているのではないか?

 聴き入りながら、その意をワタシは個人的に強く感じたものです。


 あの煩雑な大和言葉による仮名の表現形態が本当にしたかったことは、発音そのものの表現であり、そこに美しさも、ジレンマもある。

 今は、その美しさをそのまま表現し、ジレンマを全て解放して表現可能ではないのか?


 これは文字が専門の書家として思うこと、そのものであり、言葉なるものを超える作業をしている音楽家として思うこと、そのものです。


 奇しくも、というべきか、桑原さんの胸には大和言葉で、平仮名で"こころ"と刻まれているのは何か象徴的にも見えます。


 やはり、ここにこそ詩の未来の形がある、とワタシは睨んでいます。



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 さて、ワタシ、この数年ライブなどをせず深め続けてきたことを今回初めて投入する作業でした。

 今回、初めてワタシの生演奏に触れた方も多かったことでしょうが、これはワタシ自身の最新型であって、本来ワタシがやってきた事、経験し慣れている事では全くありません。

 花田さんと桑原さんにお願いした事と同じく、自らも自分を完全に脱ぎ捨てる挑戦を種々課しました。


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 Over the 26000.135th century(La fete commence)




 
 さて、これが我々の決して守りに入らない挑戦的な『守』でしたが、

 第二回目は、これらを更に叩き壊します。


 次回、7/18(sun)の『破』をお楽しみに。




posted by サロドラ at 00:00| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする