淡雪舞ふ 末古止乃春末天 阿止比登月
恒例の十二支の哲学による今年の指針、寅年の象意に就きまして。
寅は、矢を両手で左右から持って真っすぐにする形を描いた象形で、かなり後の時代に、それに御霊屋の屋根であるウ冠をつけた形がついて現在の形に成った漢字です。
一昨年の子が右手をあげた子供(王子)の象形で、
昨年の丑がその右手で何かを掴もうとしている象形。
今年の寅は両手が登場し、矢を真っすぐに支え、直している、と解釈される象形。さらには、それが屋根の中に入っている、という形式に成っている。
寅という漢字は、何かを真っすぐに直す、または、屋根のある家の中で、真っすぐにする、正す、という意味で漢語としては「慎ましい」という意味合いを含意する漢字です。
そういふ漢字学を鑑みた今年の寅年は?
今年は、一昨年に産まれ、昨年に右手で掴んだ色々なもの、価値観を、今度は両手で正しく矯正し、修正し、それらをより強く大きな流れにしていくのに必要な準備を家に籠ってする年です。それらは未だ表に表出せず、地面の底で新しく芽ばえ掴んだものを、しっかりと調整していく、という年と成ります。
一見地味な様ですが、仕事だろうと、遊びだろうと、趣味だろうと、更には芸術作品だろうと、何だろうと、この世の全てのものは目に見える表面の結果ではなく、それを"そうさせている力"こそが実体で、昨今そこが大きく勘違いされていて、それが原因と成って社会全体を脆弱化させている。
目に見える表面ばかりしか見ない人、見えない人、見て呉れの表面の現象に惑わされる人は永遠に無能です。
目に見える場所で華を持てる有能な人は、見えない場所の集積、質が非常〜に高く大きい。
つまり、一見地味な今年こそが真の意味での真剣勝負の年です。
こういう目に見えない場所で、正していく人が社会に増えれば増えるほど、全体の民度は大きく上がり、パワーが強く成る。”底力”というやつです。
…という訳で、今年は来年以降に表面に芽吹くものの準備、調整、修正を綿密に行いましょう! それが今年1年を「生きた年」にする重要なコツです。怠らず精進あるのみ。
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会員の皆様に御送りしています、拙著の賀状は、今年は東北東の方角にフレーム等に入れて飾ってみてください。(たまたまここをお読みの方もどうぞ試しに画像をプリントでもして、東北東に飾ってみてくださいね。)
きっと良い事がありますよ。
本年もよろしくお願いいたします。
令和肆年 新暦 祝月 元旦