Liu
人工言語 : artificial language Langues artificielles
芸術言語 : Artistic languages Langues artistiques
芸術言語 : Artistic languages Langues artistiques
による詩節
title : Porealinda Linon 2023
***
音楽版 Liuに対して、こちらが言語版 Liu
この曲は今から9年前の夏に書いた楽曲で、この演奏はその時に9回行った"9"Liveの未公開音源。
今回はそれに映像を追加して初公開。
***
現在、AIによるロボットは特に身体性、歩行や、立ち回りなど、かなり高度な精度を増していて、おそらくそれらの急激な進化とともにぶつかるであろう、実は最も難解な言語の問題、それは喋る言語、というよりも記憶による物語の問題で、ここで説明できる容量ではないので省略するが、
それは最終的には人間にとって文学的な意味での"魂"の問題に行き当たる。
***
音楽のロジックの組成を変えることを発想した時と、ほぼ同時期に言語自体のロジックを同じく組成から組み出すことを思いつき、すぐにこの曲ができた。
思いついたと同時にライブ演奏したのが、この音源。この音源こそが"Liu"の原点。
言語が誰にもわからない言葉なので、あえて音楽は誰にでもわかりやすい姿にしてあるものの、実は組成レベルでは、通常の楽器(例えばアコースティックのピアノなど)では、演奏不可能な音が、ここでは鳴っている。
一見、ピアノの音色ではあるけど、ピアノでは弾けない音が、コンピュターの超高速な演算によって演奏できている。
これを更に容赦無くやると、言語版と同じく、音楽版も、今の時点では誰にもよくわからないものになるのだけど、徐々に姿を変えていくつもり。
***
これを発想した後、最初にしたことは、紫式部の『源氏物語』を数年かけて原文まで遡り、研究したことだった。
その理由は、単に文章、物語、だけの問題ではなく、音楽上のロジック生成の問題も大きく含んでいる。
もちろん、そこで得た種々の成果が、これから徐々に実りを得る。
こんな理由、角度から、かの古典を学んだ人間は世界の何処にもいまい…
***
人間は、生きていて、最初から、最後まで、『愛』の問題で、始まり、人生を終える。
そうして、その『愛』の問題こそ、齟齬と、誤謬と、誤解と、錯誤と、倒錯と、、、
つまり限りない誤差を、そうとは知らず、意識すらせず、もしや疑問にすら思わず、含んでいるものは、ない。
近似値と思える場所ですら、それは人が率直に思う以上の誤差を含んでいる。
そう、それはまるで私達の未だ未熟な音楽のようだ……
***
もしも、その誤差が存在しない、としたら、どれだけ世界は安定している、だろう?
どれだけ、人は不安と苦痛から解放される、だろう?
***
愛は神、、などとイエスの誕生以降、一神教では数千年も説かれている。
あぁ、では誰が、いったい世界の何処の誰が、それを説明する以上に、明確に、何の誤差もなく提示できる?
それは神を明示せよ、という命題と同一である。
それは歴史上の文学の主題であり、芸術の主題であり、、、そしてそれらの中で最も明示し、顕現させ得るに易き方法、、音楽の主題、、、である。
***
極シンプルに言えば、、
この行為の主体として、私はそれに挑んでいる。
それはなんだか、まるで極小のミジンコが、全宇宙に決闘を挑んでいるかの様だ‥
(絶対に、勝ってやる!)
そして、もしもこれが到達可能なら、『アンドロイドは人間を愛すること』になる‥
***
ここに書いた文章の真意を、真に解する人は今の時点で世界の何処にもいない。
ここで歌われる、言葉の意味が、誰にも理解できないように…
***
訳文は、あくまで大意であり、そんな大意が本当は何の意味も成さないから、
こんな大袈裟な作業を何年も時間をかけてしているのに、
取り敢えず、そうせざるを得ないのは、なんと皮肉な矛盾、なのだけれど……
あぁぁ、それはまるで"人生の矛盾"、に似ている…