2024年06月05日

analog → digital → high end analog :1/f 揺らぎ



 読書、というと、それなりに読書する、というタイプだけど、、、


 多くの本を堆く積み上げて、乱読するなどというタイプではなく、お気に入り作品を幾度も幾度も反復して読むタイプ。



 気持ちとしては、本というものは、これだ!!!という座右の書がただ一冊、自分の手元にあればそれでいい、と、どうも思っているふしがあり、買っては売り、買っては捨て、買っては人にあげて、、などがとにかく多い。



 けれどもそんな中で、長年、やはり手元に残る本となると、何か希少本、だとか、廃版でもう手に入らない本、などはやはり手放すのが忍びなく、数少ない蔵書に残る。



 ところが、現実、今や読む本はもはや紙ではなく、電子ものばかりが90%以上で、ポケットから出すスマホには何百冊分のデータが小説から漫画から、雑誌まで…………。

 さすがに希少本や、電子化されないニッチな版元のブツは無いものの。



 が、たまにそれら希少物品を手に取ると、何とも言えぬエモいものが確かにあり、没入感はやはりこれじゃこれじゃ、などと思い直したり…。




***


 音楽の方は、音源類となると、これはやはりただの趣味ではないだけに、コレクションもかなりしてきたし、未だ手放せないもの、などもあるにはあるのだけど、ほとんどはサブスクで聴ける時代になり、また所有のCDは基本全てデジタルデータとしてハードディスクに格納してあるので、本ほどの物理的な嵩張りはないもの、だが、、、、


 
 本のように、音楽に於ける座右の名盤、ただ一品、、などと絞り込めるか?というこれはちょっと無理で、10枚くらいならもしかすると絞れるかも?…という感じ。



 子供の頃に買い漁ったヴィニール盤は、CD興隆の頃にほとんどを売り払って全然持ってない。

 当時は買ったアナログ盤が擦り切れるのがもったいない気がして、買った直後に最初のひと回し目でテープに録音して、もっぱら普段はテープを擦り切れるほど聴いては、採譜したり、曲をコピーしたり、なんてしてたので、所有してたアナログ盤は新品同様ばかり。

 むしろ盤面よりも、素晴らしい絵画的なアートワークのジャケットを眺めたり、そこにあるデータや情報、日本盤には必ず挿入されていた評論家による解説文や歌詞、などが重要物で、音自体はテープを聴きながら、それらのブツを延々舐めるように眺めていた日々。

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 で、結果、こちらは手元に残っているのは当時ダビングしたテープ音源ばかり。


 ところが、これぞ名盤!!!というお気に入り盤は安物テープでケチらず、下手するとレコード価格と同じか、それ以上の価格の高品質テープに録音した為、ヴィニール盤よりも、そちらのテープ音源の方が遥かにダイナミックレンジが広く、少しゲインをあげてナチュラル・テープ・コンプレッションがかかったお陰で、音圧感や迫力が断然あって、音質が明らかに元のヴィニール盤よりも優れている場合も有り、今となってはそれらがむしろ偶然の貴重音源化している、という。


 今、あの高品質の磁気テープを入手するのはどこも製造してない為、困難なわけで…。


***


 で、世の中を見渡すと、海外では新譜品は必ず、ヴィニール盤とカセットテープを同時発売するのが今の時流で、これはサブスクで聴くファンとの差別化ファン意識と、実際にサブスクで聴く音と、ヴィニール盤には全くの違いあることにデジタルネイティブ世代は聡く気づいて、さらに持ち運びができて聴けるアナログなテープ音源も…という事らしく、もう何年も前の市場調査でも、CDの売り上げ枚数をアナログ盤が遥か超えた、という数値結果が出ている今日この頃。




 まさかこういう時代になるとは全く思いもよらず………………。。。あぁぁアナログ盤、売らなければ良かったなぁ…、と後悔しても時、遅し。


 完全新品同様のアナログ盤ばかりをレア盤も含めて持ってた、と言うのに、ね…。


 あの頃の感覚としては、もうアナログなんて古いよ、嵩張るし、なんかプチプチ雑音入るし、、、処分処分…ぐらいな感覚だった気がする。


 (今は、CDなんて古いよ、処分処分、なんて思ってもいる。物体所有がそもそも嫌いなのである。)



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 そんな訳で、二転三転、ねじれにねじれた感じで、結局は一体どれがいいのやら、さっぱりわからん、と言う、、、

 本当にいいのは、何がいいんだか悪いんだか、何が何やら状態。



 ***



 そんな折、、、、。




 ふと、デジタル画像や、印刷出版の、古今集のいわゆる「国宝切れ物」や、源氏物語原写本、などの本物の実物を日夜手元で鑑賞するのは不可能なので、それを自分で作ってやろう、と思い、毛筆手書きの墨書で書き始め、、ラフに試し書きしたものを、平安時代風に電気電灯無しの、昼は陰影の暗い部屋や、夜は蝋燭の光で詠みあげてみると、思わず目を見開くような種々の大発見も多く、なにかに開眼した感もあり…。


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 うーん。総体的にはanalog圧勝、かな。今のところは……。





 ↓37年ぶりの新譜analog盤
    …….染み入る……..。


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posted by サロドラ at 01:02| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする