2022年02月21日

Pat Metheny 〜Dream of Synclavier〜



 Larry Carltonについて徒然に綴って、なんか違和感のある記事でオフった…。

 さて、本当に記すべきは誰だろう?と思い、まず浮かんだのがメセニー。

 この20年くらいメセニーの音楽、ギターを全く聴いていない。けれど彼ほどワタシに影響を深く残していったギター弾きは他にいない…のかも知れない。。

 今、それらを表面的に追う事はワタシにとってあり得ないのだけど、潜在的に自分に強烈に色濃く残っている。

 彼について一体何を書けばいいのか、よくわからない。

 無知だからではなく、知り過ぎていて、、。


 いつもの事だけど一番重要な技術的核心はネット上には絶対に記さない。


 ここに記す機材自体ではなく、彼のあの音楽を実現させた真の核心は勿論、彼の手、右手にある。



***


 初めてその音楽を耳にした日の事を今でも凄くよく憶えている。

 高校生当時、FMで流れるジャズ系ライブ音源は重要な音楽テキストで、国内外問わず必ずチェックしていた。

 ある日、メセニーグループの日本公演、中野サンプラザでのコンサート収録の一部がNHK FMで流れたまたま録音していた。

 おそらくそれはコンサート全演目の抜粋で、ラジオから流れた一曲目は『Frist cricle』だった。



 聴いていて、なんだこりゃ???…と、まったく初めて聴く音楽世界に不思議な気分になったものだ。

 変拍子の手拍子で始めるこの曲は、"シンクラヴィア"という今で言うサンプラー搭載のシンセと同期演奏される曲なのだけど、一体どの音がシンセ音源で、人間が演奏している音がどれなのか、聴いていて全く判別がつかない程、有機的な音、演奏だった。


 それから3、4年後、実際に中野サンプラザホールでステージ目の前で生で聴いたのだけど、生で聴いて、生で観ていても、やはりどうやって演奏しているのか全くよくわからなった。

 クリック音などドンカマ等をヘッドフォンなどでモニターしてる様子も無く、いきなりカウント無しの手拍子から始まって、自然に背後にオーケストレーションが流れるのを観て、強いショックを受けたものだった。


 後年、この不思議さのすべての内訳を解き明かしていく作業に入るのだけど、この時点では何かあまりに遠い、雲に包まれた中空に浮かぶヨーロッパ風な古城を眺める気分だった。



***


 シンクラヴィアという楽器は、巨大な家具みたいな大型コンピューターが心臓部で、まだGUIが無い時代のPCモニターをインターフェースとし、そのサンプリング音は限りなく自然、ハイファイな音で、価格もハイエンドそのもの1000万円以上。とても高校生なんかのアマチュアミュージシャンが手を出せる代物ではない。


 (ちなみに日本でこのシンクラヴィアの所有者は、小室哲哉と、渋谷にある本社NHKスタジオと、なぜか加山雄三だった)


 小室哲哉がTMネットワークでそれを演奏しているのを生で観たが、特にシンクラヴィアらしさ、というか他のデジタルシンセとの違いを感じなかった。またNHKの場合は、おそらく番組制作、ドラマ劇伴など主に効果音制作に使用していた、と思われる。(加山雄三に至っては謎極まりない… ”若大将シリーズ”をシンクラヴィアで演奏するつもり、だったのか???)


 とにかくシンクラヴィア実物は日本に於いて、このたった3台のみだった。








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 当時、その種の楽器類の状況は、AKAIがサンプラーを出していて、後年それはHip hop系のトラックを創る名器に変貌し始めるのだけど、まだパッドも無いラック搭載の機種で、メモリーも数bitしかないが、それでもそれはかなり凄い機材で、ギター弾きでは渡辺香津美氏が自身のラックシステムに搭載し、Rolandのギターシンセを介してコントロールしていた。そのラックシステムでもやはり1000万円クラスの目も眩むシステムだったが、ライブを生で聴いていても、即興で操るそれらの音色の多様性にとにかくびっくりしたものだった。


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 さて、メセニー、、、である。


 彼の音は、上記の日本のミュージシャン、世界のギターシンセ弾き(ロック系からジャズ系まで沢山居て、皆、ギターの可能性、音楽の可能性の拡張を目指していた)の中で、最も異質かつ、最も非機械的、まるでアコースティック楽器の様に、それらのマシンを音楽的に深く使いこなしていた唯一無比の人物だった。


 最初に聴いた『Frist circle』に驚いた理由は、それだった。


 最先端のコンピューター制御によるデジタルシンセを、まるでアコースティックな、まるで生オーケストラが奏でている様な、柔らかく、自然で、極有機的な復層オーケスレーション音を、たったの数人で生演奏していた、のである。


***

 当時流行の同期演奏ものは、いかにも『The 同期演奏』な、カッチカッチな音色とタイム感で、強く押しつけがましく、ダイナミズムはフルレンジから一向に変化しない、なんの音楽的抑揚も無い、つまらない機械的演奏ばかりだったのである。


 そういう音楽への反発から、普通にバンドをやるアナログ回帰ミュージシャンも多かったし、また逆にその反発から90年代以降のテクノも生まれた。


 それは反YMO、反クラフトワーク、といった趣の、まるでバンドが生演奏する様なかっちょいいテクノだったが、その代表格はデザインワーク集団"tomato"を率いていたunderworldだが、とにかく有象無象、筍状態で良い音楽が産まれた時代だった気がする。



 それはPCのクロック周波数の高速化と、安価なサンプラーの普及によって産まれたムーブメントであった事は間違い無い。

 こうしたムーブメントは皮肉にもfusion、jazzrock系の音楽を"ダサい音楽"として駆逐する爆発的な力を発揮し始めた。(ワタシがメセニー音源を聴くことがなくなったのもこの時期からだ。)



***

 現在でもメセニーのトレードマークは、最初期型GR-300だけど、あんな風に使用したミュージシャンは他に誰もいない。当時皆があれをレコーディング等で使用していたのに、である。

 
 マシン、機材との向き合い方、というワタシの流儀、姿勢の全ては彼からの影響なのかも知れない。


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 そのツールから何が引き出せるか?が最も大切なのであって、時代の流れに唯盲目的な追従をして機材アップデートするのもミュージシャンとしての卓越を邪魔する、という事など、彼から学んだ事はあまりに多過ぎて計り知れない。



 現在ワタシのやってる事は、全く別の方向、別の追求による、同種類の事、なのかも知れず、だからこそ聴くのも触れるのも無意識に遠ざけている、のかも知れない…。


 ***

 最近偶然、APPLE MUSICを試していて、未発表の80年代後半のライブ音源のリマスターを聴いた。

 やはり、深く感銘を受けた…。。。

 

 サウンドの核を描いていたLyle mays亡き後、この音楽はもう既に再現性を持っていない。

 


 ***


 ちなみに、あの巨大で高価なシンクラヴィアと同じ機能、いや、それを遥か遠く超える機能、クロック周波数、メモリー、OS、を今、我々が普通に使用しているポケットの中の小さなiphoneは見事に内蔵している。



posted by サロドラ at 21:21| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月18日

歌初めの雪 〜宇多楚女乃雪〜




音楽の精髄は歌

世界の精髄は歌

宇宙の精髄は歌


ゆえに人生の精髄は歌

人は歌うように生きればそれでいい

まるで神のように

歌え





*****


 祝月には宮中歌会始めが毎年催されていて、それに合わせて(釣られて)、音楽初めに際し、ふと即興で歌初め。


 楽器は“歌うように“演奏できればいい。

 歌うギター、歌うベース、歌うピアノ、歌うドラム、歌うパーカッション、、、

 音楽ジャンルを超えて、これがミュージシャンに於ける卓越の境地。

 世界の超一流の演奏家のサウンドは最高に歌っている…



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 ちらちら舞ふように降る雪を眺めてそんな発想が、美しい、そしてどこか哀しい、小さな粉雪とともに降りてきた。



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 …といふ変拍子(去勢された嫌いな言葉だ!)、ポリリズムに類する韻律を踏襲。

 これを仮に「定型性不定型律歌」と名付く。「自由律」とそれは違う。

 ワタシの標榜する新言語"Liu"はこういったロジックの更に遥か上位に存在する。




★☆★☆







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小雪舞ふ

 ビルの谷間に

  踊り零る

 涙の子

凍れども





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★☆★☆








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赤い花

 一緒に摘んだり

  したっちゃねぇ

 遠い記憶

あの人の手





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★☆★☆







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常盤なる

 無常の色は

  青に帰す

 空の青より

蒼天の星






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★☆★☆



やまとうたは人の心を種として万の言の葉とぞなれりける 世の中にある人ことわざ繁きものなれば、心に思ふ事を、見るもの聞くものにつけて、言ひ出せるなり 花に鳴く鶯、水に住む蛙の声を聞けば、生きとし生けるものいづれか歌をよまざりける 力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女のなかをもやはらげ、猛き武士の心をも慰むるは、歌なり


紀貫之 古今和歌集 仮名序








posted by サロドラ at 08:08| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月24日

La fête commence LIVE #3 Session Improvisée









 名も無き誰かから



遠い未来の名も無き誰かに 






posted by サロドラ at 18:09| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月25日

ラ・フェト・コモンス・ライブ#3 クリアー


La fête commence LIVE

http://bit.ly/3vCSWwW

#3 Session Improviseè



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 何年かぶりのOrgan’s Melody!

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 機材も一新されオモテの音も格段に良く成ってる!!

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 感染対策もバッチリ!!!

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 今回密かで静かなパワーを発揮している天界製のE Candle!!!!

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 さて、。

 この日、初めて人前に晒す、“Liu inst.”

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 ここまで6年間かかった。

 これはまだ完成では無く、やっと最初期段階をクリアーし、まだ人類が誰も奏でていない完全に新しい音楽制作がやっと大まかに具体化できる様に成ったばかり。


 単に機材製作だけでは無く、音楽の内面的描写力、構造の造形、その為だけに源氏物語研究にまで3年以上時間をかけた。

 此処こそ重要なポイント。

 でもその理由はここに“絶対に”書かない(否!書けない)。


 今回、足を運んで生で聴いてくれたリスナーの皆さんの耳、ハートに届いた結果だけがすべて。


 しかし、此れはまだ産まれたてで未熟そのものの。触るのも難しい嬰児状態であり、ワタシ自身人前で生で演ると一体どう成るかわからない挑戦だった。


 しかし、、、、、、、、



 掛け値無しに今日は最高だった❗❗❗❗❗❗



 事前にサックスの花田さんにはかなりな無理難題な技術課題をお願いした。

 桑原さんには、敢えてその天性の才気を信じて、最高の場所へと“静かに放置”した。

 これがプロデューサーの仕事なのだから。


 で、、、


 お二人とも、最高だった❗❗❗❗❗❗❗❗❗



 ワタシの”大言壮語“に、ここまで真摯にレスポンスをくれる愛すべき人など、そうそう居まい。

 ステージの上で各々の”真実の愛“を交換できた事をワタシは己の音楽魂に掛けて誇りに思う。
 

 このブログの読者の皆様には大変申し訳ないけど、この意味は実際に足を運び客席でこのたった1曲、99分間の音楽を生で聴いてくださった、"この音楽に選ばれしリスナー"の方々だけが解してくださっている。と、ワタシは信じる。


 私達を繋いだ、不可知の純粋の為だけに、ワタシはこの日、音を奏でた。



 ありがとう。

 愛してます。

 2021.11.23 SALONDORANJU



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2021年07月23日

ラ・フェト・コモンス・ライブ#2 クリアー




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7/24記事変更。

あぁ世阿弥の花の理(ことわり)を欠いた記事を書いちまった…。今回の仕事にはワタシは非常に誇りを持っている。…が、故に…






秘すれば花







 
秘せずば花なるべからず
 
………以上



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 今回、隠れた主題は『破』。まさに『破』の中の『破』が強烈に目の前に来た


 こういう瞬間は音楽家冥利に尽きます。


 そういう訳で、お世話になった関係者の皆様、出演者の皆様には、感謝のかぎりです。

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 次回、11月23日、最終回、『離』をどうぞお楽しみに!!!


 前代未聞の最高の芸術の完成品を見せます。

posted by サロドラ at 09:09| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月01日

ラ・フェト・コモンス・ライブ#1 クリアー




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 さて第一回目のパーティーの始まりライブが皆様のおかげ様で無事終了しました。お世話にになった皆様、ご来場くださった皆様に深く感謝いたします。


 今回三回で音楽、詩、芸術表現が完成するコンセプトですが、第一回目の隠された主題は『守』。


 私達はそれぞれ定型の表現スタイルを何十年か経験してるのですが、今回は経験値から来る"型"を主には主題にしています。しかし、それはあくまで保守の"逆向きの型"。

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 まずはsaxの花田さんの独奏。saxの無伴奏独奏は、ジャズなどのスタイルの音楽では特にあまり無いスタイルですが、今回はワタシの無理なリクエストに特別に答えて頂きました。

 
 伴奏がある時とは音色すらも違うものが要求される、これはプレーヤーにとって素っ裸にされる恐ろしさがあるのをワタシ自身も重々承知してます。


 また、和音の縛り、リズムの縛りが無い分、またそれらによる"説明性"が無い分、非常に抽象性が高い音楽に聴こえる。これこそワタシの狙いでした。


 またぜひ挑戦して頂きたい。(御本人は結構たまったもんじゃない、でしょうが…)


 管楽器に於ける音楽表現の未来の形の萌芽がここにある、とワタシは睨んでおります。


*****

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 そして桑原さんによる、詩のパフォーマンス。裏の楽屋で花田さんと二人で聴いてましたが、「凄いね、彼」と花田さんがこっそりワタシに耳打されて、ワタシも無言で同意して聴き入ってました。


 山口に来られて、たびたびオープンマイクの折などに、短い詩の朗読などはされているのですが、ガチの長尺パフォーマンスの独演は、ここ山口では初お披露目でした。


 桑原さんの表現者としての"真価"、それに山口の詩、文学界隈の皆さまがガッツリと触れる機会を演出できた事を、ワタシとしては非常に嬉しく思っています。


 ワタシは、あれこそが詩の本来の在り方、文字文化が生まれる以前の、古代から連綿とある詩というものの力、が最大限表出されている、と考えます。



 ワタシは書の世界、文字の側から普段言葉に触れる者として、また言葉、それも現代日本語というものを「ほとんど信じていない音楽」という見地の場所にいる者として、その間隙を見事に埋める"詩"の世界を見せて頂いた、言葉の本質を見せて頂けた、と思っています。


 昔、ギリシア時代に文字文化が生まれる瞬間に、ソクラテスが危惧した事、それはそのまま言葉の歴史となり、さらにそれは文学の歴史となったのですが、何か言語というものの重要な片面が失われたまま、(文字と紙の発明によって)言語が扱われてしまう世界を私達は2000年近く生きている。


 しかし、現在、テクノロジーが進化し必ずしも、紙や文字を記録媒体にせずとも、本来、何千年か、何万年か、やってきた言葉の営為、その力の発現は、やはり発音された音にこそある。


 さらにそれは、音楽と同じく、生の発音のVibeでこそ、その力を最大限発揮する。


 これこそ、唯の古代への先祖帰りではなく、未来の詩の形を示唆しているのではないか?

 聴き入りながら、その意をワタシは個人的に強く感じたものです。


 あの煩雑な大和言葉による仮名の表現形態が本当にしたかったことは、発音そのものの表現であり、そこに美しさも、ジレンマもある。

 今は、その美しさをそのまま表現し、ジレンマを全て解放して表現可能ではないのか?


 これは文字が専門の書家として思うこと、そのものであり、言葉なるものを超える作業をしている音楽家として思うこと、そのものです。


 奇しくも、というべきか、桑原さんの胸には大和言葉で、平仮名で"こころ"と刻まれているのは何か象徴的にも見えます。


 やはり、ここにこそ詩の未来の形がある、とワタシは睨んでいます。



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 さて、ワタシ、この数年ライブなどをせず深め続けてきたことを今回初めて投入する作業でした。

 今回、初めてワタシの生演奏に触れた方も多かったことでしょうが、これはワタシ自身の最新型であって、本来ワタシがやってきた事、経験し慣れている事では全くありません。

 花田さんと桑原さんにお願いした事と同じく、自らも自分を完全に脱ぎ捨てる挑戦を種々課しました。


SALONDORANJU 2021.6.27 set list

 死の手紙のBlues(by sonhouse)
    〜コロナで亡くなられた全ての方、御家族の皆様への追悼の祈りを心より込めて〜
 Porealinda linon("Liu" creation)
 美しい鳥籠の静寂 2021
 禁じられた色彩
 Over the 26000.135th century(La fete commence)




 
 さて、これが我々の決して守りに入らない挑戦的な『守』でしたが、

 第二回目は、これらを更に叩き壊します。


 次回、7/18(sun)の『破』をお楽しみに。




posted by サロドラ at 00:00| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月03日

ラ・フェト・コモンス・ライブ #1



La fête commence LIVE〈ラ・フェト・コモンス・ライブ〉



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 さてお待たせしました。いよいよライヴを本格始動します。数年間、言語そのもののロジックの生成、音楽ロジックの生成、などじっくり取り組んできたワタシの最初ライブです。


 本当は昨年、ライブをしようと思っていたのですがコロナでできず、今回たまたまジャズフェスへのお誘いを受けた事がきっかけで、こうした流れになりました。

 XIでサックスを担当された花田さんと、これもまた偶然、近代詩の研究をオルフェウス読書会でしてたら、詩人の桑原さんと知遇を得させて頂いた縁で、これをミックスしたら何か生まれるのではないか?…と、いうワタシの直感から、こういうイベントのスタイルになりました。


 計3回のライブで、アート表現の全貌が体験できるライブとなります。


 おそらくワタシが誰かと演奏するのは暫くはこれが最後になる筈です。これから先は人間と演奏する音楽は暫くはしないつもりです。(想定される演奏に人間が身体的、能力的について来れない音楽であるがゆえ)


 つまり、終わりの始まりのライブという…。


 祭りが始まる、というタイトルは、桑原さんが2015年にドイツのベルリンで同時翻訳によってポエトリーリーディングをされた詩で、大変良い詩なのですが、これを生で聴けるのもまた貴重な機会でないかと思います。


 またサックスの花田さんにも無理にお願いして、完全無伴奏のサックスソロ(そういう実例は世界でも一部のフリージャズ以外まぁほとんど無い)、というかなりな難題に挑戦して頂く、という…。


 つまり、全てが全て、前代未聞の表現を目指すのが目的のライブです。


 "フェト - fête "とはギリシア語の"祝祭、祭り"が語源のフランス語ですが、祭りが始まる、というよりは、パーティーが始まる、という意味に近い言葉です。

 前回、偶然にチェンさんに巻き込まれてアリスの創作劇をした副題が『さぁパーティーが始まるよ!』というものだったのですが、今回、それを全く別の形で受け継いで、パーティーが始まる! ということになった、という事のようです。

(これらは何か神意によるものなので、ワタシ自身よくはわかってない)

 6月27日の第一回目の祭りの始まりライブは、個々の完全独奏ライブです。


 そういう訳で、皆さん、さぁ前代未聞の宇宙のパーティーが始まるよ!じゃぁぁ〜ん!!!!


posted by サロドラ at 09:09| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月21日

Japan Vintage











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 春の自粛期間中、仕事が消えてやたら暇でふらり、と立ち寄った楽器屋にてi君と立ち話してて、機材動画でも撮影しよう、と思い立ちすぐに撮影。

 スタジオは誰〜もいないし、オーナーのyさんによると収益は激減して普段の9割減との事で、協力も兼ねてステージを借り切って、機材を並べあげて撮影。(これでもi君の所有機材の1/3程度らしいです…笑)

 普段、ギターのリペアでi君にはこの10年くらいお世話に成っていて、i君のギターテクニシャンとしての腕前もこの動画で披露できたら良いなぁと思いました。


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 編集してて思ったけど、やはり最高の生鳴り、空気の振動そのまま、は録音できない、という我々音楽制作者には重要な問題。不可能がゆえにどう録音媒体で加工して聴かせるか、という技に就いて。これはまだまだ開発の余地がある。

 ただ動画の為に簡単にやるなら、生で鳴らさずライン直で加工すれば、もの凄く簡単なのだけど、それだとやってるこっちが面白く無い。ライブで勝負できる生音にあくまで主眼を置きたい。

 音楽の主体はあくまで生の音楽で、録音作品が先行する、というのはワタシの音楽美学に反する。

 写真で綺麗な美女でも、生で眺めたらなんだこりゃ?じゃぁしょうがない訳です。その逆、生で眺めたらもの凄く美しい…でもこれは撮影自体が不可能…というのが、美の、芸術の、artの命題だとワタシは考えているからです。こうした逆転を平気でするクリエーターをワタシは一切信用しないし、舐めるなよ、おまえ、…と、思います。

 こういう人種…、彼らは"何を舐めてるか?"、そこが大事

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 何の楽器音でも問題は結局同じだけど、特にエレキギターの音、それも歪み系の音、の録音の難しさ…。対して、アコギはそこまでは難しくは無いのです。マイク処理だけで充分良い音を補完できる。(逆にアコギはライブの生音がエレキより遥か〜に難しいけど…)

 これは元々、間違った過剰で過負荷な電気回路によって美音を創るエレキギター特有の問題で、例えばエレキギターの『クリーントーン』は、実際の電気的、オーディオ的な意味の"クリーントーン"では全然無く、かなり偏った歪み方をしているのをクリーントーンの良い音だ、と我々は感じている。

 この数ヶ月アナログ盤面の音で研究したのも、結局この辺りの事。オーディオ上の良い音が、必ずしも音楽上の良い音ではない。

 そして、さらに難しいのはクリーントーンではなく、歪み系の音で、本当の良いギターの歪み音、これは音楽体験が深い人、現実の生音楽体験の経験をかなり積んでる人、で無いと、『良い音とは何か?』自体が全く解らない問題だったりする。

 これは数値的に解析するなら音色の倍音構造で説明できる筈だけど、敢えてそんな事はしない方が良いでしょう。

 アンプシュミレーターの開発プログラマーなら結構これをやって成功している良いアプリもあるし、それはそれで便利だけど、やはり最後は何処か虚しい。長年弾いてる人ならこの心情は解ってもらえると思う。

 だからこそ名機真空管アンプをずらりと並べあげて、敢えてオフマイクで、空気感を素で録音するように工夫したけど、自己採点はかな〜り低い…。。

 これがライブ現場だとしたら、凄くいい音、胸震える音、が鳴らせていた、とも思います。

 今回の動画は、このあたりを御視聴して頂ければ面白いのではないか、と。


 ジャパンヴィンテージ、最強!!!

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posted by サロドラ at 09:09| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月25日

Vinyle records


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 twitterやら通信やらには最近つどつど記している事だけど、ヴィ二ール盤レコードの良さに打ち痺れる思いを日々していて、いかに私は(ってか多くの一般リスナー全員だと思うけど)デジタル音に無意識、無作為に飼い馴らされているのかを噛み締めています。


 僕らの世代だとアナログ盤は音楽の原体験だった筈で、自分だって数百枚くらいはティーンの頃には所有し、しかもそれを大切にしたいが為にテープにまずダビング(ゲインを上げてナチュラル・テープコンプ状態)して普段はテープを聴いてたという世代です。

 で、世界ではなんとアナログ盤復活どころかカセットテープ復活の潮流もかなり大きな波になってきていて、なんだこりゃ??と最初は驚いてたのだけど、今の現状、そうなって当たり前だと思うのです。

 僕らよりもっと上の世代だと、何かレトロなノスタルジーできっと回帰してるのだろう、などと勘違いする人が多いですが、それはま、っ、た、く、完全に、パーフェクトに、間違っています。


 音がやっぱり違うんです。

 やっぱり、感動する。やっぱり、聴いてて涙出る。



 たまたまこの記事を読む方に逆にワタシは質問したいが、最近、音楽をiphoneやらPCやら、ストリーミングやら、youtubeやら、と非常に便利でスマートな環境で贅沢な物量聴いてるのが当たり前で(自分だってそうだけど)、最近、音楽を聴いて、心底、涙したこと、震えるほど魂を持っていかれた事、現実にありますか?????
 

 あぁ〜いいなぁ、とか、痺れるねぃ、程度はそりゃ普通によくあるだろうけど、それよりもっと深い音楽体験、ずばり、聴いてたらどうしても涙が出てしまう、という体験…。


 特に自分はギター弾きだから、ギター音には異常なこだわり、世界観がそりゃ山の様に堆積してるが、今、若い人で真に弦を鳴らせてる人、見渡してもいないんですよ。モダンテクニック、ハイテクニックは進化してるのだけど、肝心の音楽を奏でる力という意味での巧さ、ミュージシャンとしての卓越という意味でのギター…特に、エレキギター。

 ギターの真の難しさは、最高のトーンですべてのフレージングを弾ききる事に尽きるのであって、弦がまったく鳴らせていない状態で、陳腐極まりない音列をただ羅列する様なギター、音楽の機能性を無視した曲芸を見せるギター、などでは無い。

 技術面で言うと、それらはアホにみたいに簡単なんです

 こんな物言いは、一見おっさんの戯言にしか聞こえん話に成りかねないが、そうではない。

 何故なら、これはギターだけでなく、全ての楽器に通底して言える問題だから。


 昨今のこうした現状は、極単純に音楽リスニング環境から来るもので、本当に良い音、本当に良いギタートーン、特にエレキギターの音、をデジタルドメインの世代は、体験した経験が無く、それに気がつく機会すら普段おそらく無い。

 改めてヴィニール盤を聴いて、何より痛感したのでは、それでした。


 そしてそれはロック系、ジャズ系、などラウドな音の音源の楽器類全てに言える。ドラムの金物、バスドラ、ベース、さらにはmoogなどのアナログシンセ類…。

 さ、ら、に、ヴォーカル。 歌。
 

 ****


 今、音楽市場でアナログ盤やカセットに回帰してる世界の最先端のリスナーの多くは、音楽に対してシリアスでコアな若い世代です。昔を懐かしんでおっさん達がそういうブツを購入してる訳ではなく(ワタシの様なおっさん類もいるだろうが…)、それは特にiphone登場以降の世代に顕著な傾向だ。


 それがこういう市場結果に数字になって表れている。一般人はspotifyやapple music。おれ音楽やってるぜ、ってな若い世代のコアな音楽ファンはアナログ側、ヴィニール盤、さらにはカセットテープに偏向している、と予想される。もう既に売り上げ数ではそれらがCDを両面から追い越してしまったのである。
https://hypebeast.com/jp/2020/9/vinyl-sales-outsells-cd-2020-riaa



***

 デジタルがプロのレコスタからPC環境を通して一般に成り始める90年代頃から、こうした顕著な対比が生まれ始めた、とワタシは見ているのだが、90年代の音楽シーンを生現場で体感してるかどうかで、この辺りがくっきり別れるのだろうと思われる。

 当時、クラブでかかる音がCDだったら、幾らネタが良くても音がカッチカッチでもう興ざめだったりするのだけど、アナログ盤だと、もうずっしり来まくる、ってのは、あの頃クラブシーンで音楽を聴いてた世代なら誰でも体験がある筈。しかもそのネタは生演奏もの以上にテクノなどの電子音楽系が比重としては多かったのが皮肉な現象だったけれど、個人的にはレアな70年代の音源、ブラジリアン系(とりわけバイーア系)ものなどはそういうシチュエーションでは特に最高に好きでした。

 今ではクラブカルチャー自体が衰退の極みで、それは風営法など色々理由があるけど、MP3や、CDJが主流化した頃とその衰退の次期が一致しているのを鑑みると、これは法律の規制で衰退したのではなく、今思えば単純に体験できる音が快楽ではなくなったのをリスナーがいち早く反応した結果ではないか?


***

 ワタシなどはそういう推移を現実に体験しておきながら、2000年期のipodからiphoneに続く音楽リスニング環境の変化は狂喜、歓喜の出来事で急いで飛びついては聴き漁ったものでした。まぁ何しろアルバムが何百枚もポケットに入るという素晴らしさ!!!! その贅沢感!!!!!その便利さ!!!!!!

 そういう訳でCDも買わなくなり、ダウンロードで充分に満足し、場合によってはCDのサンプリングレートを上回る音で楽しめる音楽的極楽浄土の世界を堪能した10年と言えるのでしょうか。

 そういう環境で高性能ヘッドフォンで聴くと、まるでレコスタでミックスのモニターしている時に近い超高音質で音楽体験できる訳で、特にアナログで聴き込んでいた時代の音源のミックスが、実はこうなってたのか…などと発見だらけだった記憶があります。

 特にプリティッシュ系では、ジョージマーティンのプロデュースワークは凄いの一言で、音の配置、バランス、EQ、全てが完璧だったり、西海岸系では、スタジオの職人技の粋を極めるアウトボードの使い方など、聴けば聴くほど学びになったものでした。

***

 …と、しかし、ここに来て、ぐるりっ、と一回転してアナログが別の意味を持ち始めた。デジタルがそこまで進化したからこそ、現時点でのデジタルの限界も明確に成り始めた、という訳でしょうか。


 勝手にリンクさせて頂きますが、このページなど非常に良い視点で記事を書いてらっしゃる。
http://1overf-noise.com/record/record-vs-cd/

 途中のクロマニヨンズの映像は、まさに卓見としか言いようがない。理屈抜きで、いい。彼らはそう言いきってる。音の直感だけでしかモノを言ってないところに潔さがありますが、理屈を精査すれば、音域や周波数など、このページにも書いてあるけど、それは現実あるでしょう。さらには数値化できないXファクター、とでも言うべきもの、主にそれは倍音の鳴り方などになると思うけど、これなんぞ、まさにエレキギター弾きが一生、これに悩み苦しむ問題でして……(苦笑)

 エレキギターの音というもの自体が、電気的には全て間違いで出来上がってるものなのだから、そら、当たり前。


 我々、その間違いにこそ、痺れに痺れて、ギターを弾き始めた人種なんだから。



 上記のハイロウズの音源制作のヴィニール盤をさらに録音してデジタル化してる、などとは周波数帯の数字上完全に間違いな筈なんだけど、自分でも何度も実験を重ねた結果、そうとも言えない。

 例えば、これも勝手にリンクを貼りますが、アナログシンセ音とアナログテープでできたYMOの名作を、ヴィニール盤でかけて聴く方はデジタル音、という状況だけど、この音はCDともリッピングしたyoutubeとも違い、確かに良い。気持ちいい。(ライディーンの後半部なんぞ涙ものの美ではないか?? 続くカスタリアなんぞは言葉も出ぬ。)



 ちなみにこちらyoutube(音、硬過ぎ………こりゃ神経痛みたいな音やんけ。。)
 




 で、改めてヴィニール盤を入手して(数百円だった…笑)ヴィニール盤直音かけて見ると……………。

 実に素晴らしい。高温の伸び、煌びやかさ、これはCDやダウンロードでは聴けなかった生きた音!!!(普段このアルバムは長年CDで聴いてたし、今はダウンロード音源を聴いてる事がほとんど)。

 電子音楽でこれなのだから、奇妙な現象だけど、元がデジタルシンセではどうなのか???
(これはまだ実験が足らないので何も言えない。ってかその種のヴィニール盤を持ってない、が、、自分の参加音源などのヴィニール盤などを聴く限り………あまりアナログ効果がある気はしない…かも………。。。)



 …んな訳で、iphoneもCDももはや聴く気がしなくなった訳です。。。だって全然、涙出ないもの。。


 ビートルズ世代でも無けりゃ、ビートルズファンでも、信奉者でも無いのだけど…………

 理屈抜きで、涙出る。。。ノイズだらけでも、関係無し。これが当時、ビートルズのリアルタイム体験そのものだった筈でしょう。CDで誰がどうリマスタリングしても、これは確かに、絶対に再現できない。。
 
 
http://www.salondorange.com/let%20it%20be%20blogSmall2.mov
http://www.salondorange.com/long%20and%20windeingblogSmall2.mov


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https://twitter.com/SALODORA/status/1321931940665044992

zep.jpg

http://www.salondorange.com/zep.m4a


(一応釘刺しとくが、ka素羅ツクよ、これは著作権法を巧妙にすり抜けているのであって、文句あるならどつき合いの喧嘩をいつでもしてやるぜ、よろぴくな)


 
posted by サロドラ at 09:09| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月09日

Life in 12 bars 〜12小節の人生〜 Eric Clapton


 http://ericclaptonmovie.jp


 公開当時近場で上映されてなく、しかももっぱら世間ではボヘミアンラプソディーばかりが取り沙汰された感があった、、けれどオレが観たいのはこっち。

 電車で一駅乗ることすら正直死に物狂いな為、正月は動かず延々映画を観続けた。そういう自分の魂にすばりとアタックしてきたのは、連夜延々と観続けたスターウォーズのシリーズ全作を遥かに超えて、たまたまやっと観たこの作品。もちろん、人気があったボヘミアン〜よりも1000倍素晴らしいドキュメンタリー作品だった。もうこの事実自体が、まるでこの作品に描かれる事のすべてを語っていて、皮肉にも面白い。

 なぜか世評もあまり無い。…ので、ここに書いておこう。ま、わかってる人はくだらない言葉を何も言わないのだろうね…。

 だから言わない方が賢明なのだろうが、40年以上ギターに人生を賭けて生きてきた身分としては言ってもおきたい事が、この映画には、ある。

****

 ドキュメンタリーって意外と難しいものだが、役者が演じるとどうしても無理がある。ボヘミアン〜もジョブスの伝記映画も、このハードルで頓珍漢な大失敗になってしまった、と私は思っている。幾ら本人を上手に真似ても、結局全然違うからね、そりゃ。。。特にアーティストって本人自体があまりにも実体を追求して優れているので、架空の人物を肉付けする訓練ばかりしてる役者じゃ技術的に無理だ、そりゃ。。

 で、この作品は、こんな映像よくあったな?という箇所が随所に多く、本物の未公開映像を交えた、まるで生前に出版された自叙伝の様な仕上がりになっている点が斬新だ。

 本人の声で語られる当時のリアルな声や事実、今まで公開されなかった本人の自筆の生々しい手紙、、などで映像が紡がれてゆく。



*****


 本物と偽物、その違いだ。

 観ていて痛感したのは、それ(SOMETHING ELSE)、だ。



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「18歳の頃、アートに囲まれた生活に夢中になった。フランス文学を学び、フランス映画や日本映画を知り、ボードレール、ケルアック、ギンスバーグ、スタイベックを読んだ。でも中毒になったのはブルースだ。輸入レコードを買い漁った」

「ビートルズは内心、小馬鹿にしていた。でもジョージのギターは斬新だ、と思った。金切り声を挙げるファンやリスナーの誰も聴いてないけど。僕ら(ヤードバーズ)だけがそれを認めた。それはヒットとか知名度とは別の話だ。それでジョージとは仲良くなった」

「当時影響を受けたのはギターリストだけじゃない。歌手や、そしてインド音楽などにも影響を受けた。ビスミッラーカーンはよく聴いた。彼の楽器の様な音を出したかった」


「ジミヘンドリックス : イギリスのソウルブラザーの彼の唇にキスしたんだ」

「ジミは思考がシュールで話してると最後には話が、UFOとか紫のベルベットの月の話になるんだ」

「アーメット(アトランティックレコード社長):クリームはビートルズよりもストーンズよりも、絶大な人気があった」

「BB キング : 物静かな男(エリック)とジャムをした。彼は熟練のベテランの様に時間のパズルをあてていった。ギターリストはテクだけじゃだめだ。ギターで物語を語れないと。彼の物語は極上だった」

「誰かにもらったペルシャの本があった。レイラとマジュヌーンの恋の物語だ。救われない悲劇の恋…英雄は砂漠を彷徨いアッラーに魂を捧げ孤独に死んでゆく。それは自分だと思った」


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******


 ボヘミアン〜で大学生時分のメンバーがレコーディングスタジオでおかしな作業をしてる、というシーンがあるけれど、あれはジミヘンがエレクトリックレディランドでやってた作業を真似ようとしてた、というシーンである。そんなジミヘンは、クリームの頃のクラプトンを真似ようとしてたら、クリームを遥か超えて行き過ぎてああいうスタイルに成った。



*******


 偽物でも修練すれば、それなりには成る。でも本物には成れない。ましてや、人間が偽物な上に修練しない奴、さらに本物の体験も積まない奴、はクズ以下の環境汚染並みの粗大ごみだ。そんなクズ以下の粗大ごみがアーティストの顔して、しかもプロだとぬかしてウロウロしてる。
 
 そういう業界や世界は破壊されてしまえばいい。

 それは人類にとって公害で環境汚染だ。

 偽物とは何か?

 愛の無い人間だ。

 音楽をしていながら、音楽をさして愛してない人間だ。

 音楽をしていながら、話の中心が音楽にない人間だ。

 おい、よく聴け。そこのおまえのことだよ。


********


 という訳で、この映画は観たほうがいい。

 あまり人は観てないらしいけれど。(…ってか、わからん馬鹿が観るな。)

 以上。


*******


…と言った魂の激しい怒りを剣で斬る様に表現するツール、それがギターだ。



 それはいつしか、優しさに変わる。








posted by サロドラ at 21:04| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月24日

小鳥たちのために Pour les oiseaux




 何もしない。…が、ゆえにすべてを成し遂げている…。

 すべては既に成し遂げられている。



 禅のこの絶対的一元論。事物が相反する全てを飲み込んで唯、ひとつに帰融すること。禅の思想的故郷であるインド思想では、これをアドヴァイタ思想と呼ぶ。

 これをJohn Cageに教えたのは鈴木大拙である。20世紀初頭、既に音楽はある究極まで高まったのだけど、それを飲み込んでその上に行こうとしたJ.Cageが、ギリシアから発生し、キリスト教圏を母体として天へ、天へ、と高層ビルの様に高まろうとした西洋音楽をして、必然として東洋に傾斜したのは、とても自然なことだったのかもしれない。


 J.Cageはもちろん、ある種の極論である。4分33秒間、聴衆に無音を聴かせるこの曲は、1952年に発表され、この”無音”はレコーディングされレコードプレスされて、もう67年。その間、アカデミックな色々な場所で既に多くの"演奏"がされてきた。


 私はふと思った。この曲は、その哲学が発生した故郷に帰れ、と。


 この曲は、室内や、オーケストラピットではなく、禅の世界を空間で表現した日本の風景の中で、演奏されてしかるべきである、と。


 21世紀の今日では、この曲は、ある種のノイズミュージックの始祖の様にも引用、援用されている。

 それはそれで、面白い。別に否定はしない。しかし、その場合、とても人工的ノイズか、室内の無機空間、アイソレートされた場で扱われていて、J.Cage本人も、ハーバード大学内のそういう空間で、この概念を産んだエピソードは有名である。だがそんな事は言葉の記録に残った哲学的な残滓に過ぎない。

 それは自然の中の、自然音…、にこそ、その世界観の根源が潜み、そして、音楽の原初的な発生も、自然界の音、その擬音にこそ、音楽の原初の衝動や、発生の強制力がある、と考える。


 それこそが、音楽の果実に於ける核である。


 私が今、目指している音楽の中心的な派生場所もやはり、これこそが雛形としたモデルであるべきなのだ。それをわざわざ人口音に換える事に意味がある、としたら、それは人間の哀しい、そして美しい、営みである、と私は思う。


 ともかく、禅の風景の中で、"演奏"してみた。


 静かな雨の音と、小鳥のさえずりが閑寂とした涼気の中で、ただサラウンドな音像で響いていた。

 数ある音楽本の中で、John Cageのインタビュー形式にまとめてフランスで出版された、原題 ”Pour les oiseaux"(for the birds)、邦題 "小鳥たちのために"は歴史に残る名著のひとつである。
 
 偶然にもCage(=鳥籠)という、名前を持つこの稀代の現代音楽家に聴こえたのは、無音の中で聴く自分の鼓動や血液の対流音ではなく、ただ耳に響いた、鳥の声、それは暗喩的な意味でもありうる、どこか抽象的な小鳥の声ではなかったか…?水墨画に描かれる風景や人物が、どこまでも具象ではなく幽玄な抽象であるように…。


 そこで聴こえるのは、この世界に永遠に響いている、万物の歌、ではないのか…?
 


 4分33秒とは、決して無音でも、静寂でも、ない。すでに神によって永遠に歌われ、響いている歌を聴くことなのである。


 この至高の音楽は、日本の美術、文学、伝統芸能の無言の行間に、いつでも響いてきた。

 それは、限りなく優しい…。

 
 Liveですらない、Live。これがsalon d'Orange music societyの12年間の〆だ。そして新しい12年間で成し遂げることの核であり種子だ。

 





posted by サロドラ at 01:02| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月25日

Music as communication 〜salon d'Orange music society 2017 Seminar&Live〜

 
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Music as communication 〜salon d'Orange music society 2017 Seminar&Live〜



 さて、今年は恒例化している年末ライブはどうみても微妙過ぎて、どうなるんだろうか? おれ自身よくわからん…と、流れに漂うように身を任せていたら、こうなった、という態のイベント。


 私自身としては、むしろ1年溜め込んだフォースがどうも沸々と湧いて出始めている頃でもあり、楽しんでやりました。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。


 今回のポスター 星の戦争ep2というコンセプトなり。

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 機材を黙々とセッティング。

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 誰かのお口の中へと旅立つのを待っている今年の私の"音楽"であるチョコ達

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 セミナー開始


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 修行するパダワン達


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 終了撤収してから、近年いつも参加できなかったミサへ。ここへ向かう足取りに感慨、沸きあがる思いが深い。見上げると雨はあがり、星空が。さっきはアフリカの原始の音について講じていたのだけど、ギリシャ発のグレゴリオ聖歌やパイプオルガンの響きを生で聴いた。とてもいい。

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 真実の愛のチョコと共に私の聖体拝領。これが自分のスタイル。祝福は己の内側からやってくればそれでいい。外部からやってくる来るものに、信も、真も、無い。

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 実に正しき聖夜なり。


 Sさん、Oさんプレゼントありがとう。ブラジルではクリスマスはこのガラナとイタリア産のパネトーネのセットが習慣だそうな。

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posted by サロドラ at 07:07| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月23日

Chamber Metropolitan Trio Live in Yamaguchi on youtube





guest Yuriko Kimura : flute





encore: guest SALONDORANJU : guitar Yuriko Kimura : flute











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2017年10月17日

Chamber Metropolitan Trio : from Paris  Japan tour 2017 山口公演






 今年はゆったりとお茶でも飲んで何もしない、という事にやる気を持ちまくる私です。そんな私に、おいおい、おまえなんかしろよ…とでも言う天の声の様にオーガナイザーをさせて頂くことになった今回のライブ。そこはやはり"天の声"だけあって、大変に素晴らしいライブでした。



 まずは、昨年に続きmusic society研究生への、セミナーから。

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 今回は私の要望で、あくまで用意を何もして頂かずに、普段の素のままのライブ・リハーサルをして頂き、インタープレイを中心として私のホストで、目の前での実際の生演奏とともに詳しく解説して頂くという形式でして頂きました。そもそもメンバーの皆さん全員、パリで非常に高度な音楽教育の洗礼を受けていらっしゃる訳で、教授くださるポイントも実に的確です。


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 ミュージシャンとしては、本番前ライブリハは普段はあまり人に見せない、というか、あまり人には見せたくは無いものですが、そこを敢えて見せて頂き、実際のライブを鑑賞する、という体験は、音楽演奏者にとって非常に貴重な体験です。


 特に、マチューさん率いるChamber Metropolitan Trioは、その内容の緻密さ、トリオの役割配分の柔軟さが実に素晴らしく、一般リスナーからすると、一体何が起こってるのか高度過ぎて、よく解らない、という瞬間が多いのではないかと思います。


 特にその"解りづらい部分"を、実際に使用しているスコア譜、パート譜から、どの様にメンバーが楽曲を解釈、構築し、インタープレイに膨らませているか?という、ジャズという音楽の最もスリリングで面白い部分を、3人それぞれ場所からの意見を伺い、実に面白かったです。


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 マチューさんの楽曲は、とにかく変拍子によるポリリズム(複合リズム)が多いのですが、それがよくあるプログレ系ロックバンドがよくする表面的な変拍子のリズム解釈と全く違い、特にその部分の考えをご教授頂くことでが出来て非常に興味深い内容でした。

 彼らのリズム解釈は、変拍子を更に1.5で割ることで、4/4や2/4の様に聴かせ、更にそれを大きな尺で捉える方法で、一見、聴感上は極自然に聴こえる(変拍子には聴こえない)、というまるで『だまし絵の様な』方法です。そういうアンサンブルを、どうやって普段は練習しているのか、などを詳しく解説頂きました。





 前回は主に音律の側面から、色彩を生み出す方法の解説だったのに対して、今回はリズム解釈の側面から、バンド・メンバーによる色彩の生み出し方が主体でした。前回のセミナーと今回のセミナーで合わして、やっとこの美しいバンドサウンドの全貌を見える、という具合です。


 また『音による会話』とも言えるインタープレイは、私達が普段自然に話す会話と同様に、ミュージシャンにとっては非常に無意識的なもので、解説することがちょっと難しいのですが、リハの時点で、既に音楽による深い対話が始まっている、という側面が垣間見れてとても面白かった。


 こうした生の体験は、教則本、個人の反復練習、個人レッスンの受講、ましてやyoutube動画などでも絶対に得れない、貴重な学びの場です。


 会話力、というのは言葉に於いても、音楽に於いても、『直接の自然な体験』からだけ育っていくものです。特に高度な内容を話し合うのは、個々のロジックの積み重ねや錬磨による持ち寄り、によって初めて成立するものです。

 
 このバンドの会話は、非常に高度で繊細な場所で常に会話が成立している。

 それが実によく解りました。



*****


  さて、研究生は最前列に全員かぶりついてもらって(笑)、実際のライブ本番です。平日にも関わらず、今回はとても多くの方にお集り頂き、メンバーの皆さん共々、感謝感激でした。



 まずは私から皆様にご挨拶をさせて頂き、ライブ開始。


 まずは1stアルバム収録の"金閣寺"から。


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 2曲目は、NASAにもその技術が取り入れられてる、という日本人の三浦公亮氏の折り紙を題材にしたとても美しい楽曲。宇宙で活躍する日本の技術を、音に変換して表現しています。


 2ndでは木村百合子さんもゲスト参加して木村さんの楽曲"Merci,merci,merci"をChamber Metropolitan Trio versionで。




 アンコールに、さろどらもサプライズ飛び入り参加。スローブルースを(やたらとエレガントなスローブルース!)。

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 今まで、色々なミュージシャンと共演した中でも、最もエレガントな味わいのブルースだった気がします。


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 あぁぁぁぁぁぁぁ楽しかった。ってか、久しぶりにギター弾いた‥。やっぱギター弾くのはいいわ…(笑)。



*******


 で、打ち上げに皆様のリクエストで、やっぱりラーメンを食べた(笑)。パリだとラーメンって高いそうな(日本の2倍以上の値段)、しかも不味いらしい。そりゃ水が違うから、パリのあの濃厚なフランス料理の世界が育った訳で、ラーメンは確かに無理だと思う…。

 全員、味に納得してました。

 我々の極普通は、案外贅沢極まり無いのかも。。因みにフランス料理は、日本の方がパリよりも約3倍くらい高いお値段だそうな。



 さて、まだまだChamber Metropolitan Trioのツアーは続いていますので、お近くの方はぜひライブに足をお運びください。

 "メインストリーム"などと云う馬鹿馬鹿しい概念で、形骸化した演奏する輩が昨今の世界中に実に多い中、彼らはクリエティブなイノベーションを維持し、今、息をして生きている、本物のジャズ、本物の音楽、をヨーロッパの感受性によって、とても真摯に演奏していますよ。



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posted by サロドラ at 07:07| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月07日

Chamber Metropolitan Trio : from Paris  Japan tour 2017 山口公演のお知らせ


Chamber Metropolitan Trio : from Paris  Japan tour 2017

イベント詳細web  http://bit.ly/2tr9OK8


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Chamber Metropolitan Trio :
Matthieu Roffé : piano

Damien Varaillon : contrebasse

Thomas Delor : batterie

10/17(Tue) @ Porsche pm:18:30 open / pm 19:30 start
music charge adv.3000 day.3500 要 drink&food order

Porsche 1-1-28 Aoi,Yamaguchi city,Yamaguchi pref. 083-924-4616


特別公開リハーサル&ショーケース・セミナー pm:17:00 start information: http://www.salondorange.com/society.html

主催 SALONDORANJU MUSIC
ライブのご予約は chamberjazzjapan2017@outlook.jp までお名前と参加人数を記入(締切 10/16まで)

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 昨年7月に来日公演ツアーをされたパリのジャズ・ピアニスト、マチュー・ロフェさんの率いるユニット、"Chamber Metropolitan Trio"のジャパンツアーが、在仏フルーティストの木村百合子さんのご尽力により今秋に開催されます。山口公演はSALONDORANJU MUSIC 主催により行います。


 前回は私からのお願いで、素晴らしいセミナーをmusic society研究生に行って頂きましたが、今回は素晴らしいトリオ編成でパリの新進気鋭のジャズユニットによるライブの開催に先立ち、music society研究生向けの、公開リハーサル&ショーケースという形式で、セミナーをして頂く事に成りました。

 今回はピアノのマチュー・ロフェさんに加え、素晴らしいメンバーのベースのダミアン・ヴァライヨンさん、ドラムのトーマ・ドゥロールさんとの、インタープレイの妙技、数々の手法の一部を公開リハーサルという形で、SALONDORANJUのホストにより、詳しくそして平易に解説をして頂きます。


 前回、ヨーロピアン・ジャズのエスプリ、主に和声的なアプローチ、モード・スケールの側面から、アメリカン・ジャズには無いヨーロッパ特有の美しい響きの内面の秘密をご教授くださいました。

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 今回は、インタープレイの実践編の手法をサロドラのホストにより、各メンバーの方に解説して頂く予定です。


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 ジャズという音楽の最も重要な側面は、このインタープレイにあります。

 この部分こそポップス、ロック、更にはクラッシックという楽曲の形式、アレンジが大まかに固定されたまま演奏される音楽と大きな違いがあり、それこそジャズを愛好するプレイヤーやリスナーにとって、面白みの中心でもあり、またジャズ初級者の方にとっては、最も難解な部分でしょう。


 すなわち、これは"音楽による会話方法"と言い換えても良いと思います。


 自由にその場の即興で思ったことを思ったままに会話する様に、音楽を紡ぐこと。


 私達全てのミュージシャンにとって、ジャンルを超えて最も重要な側面がここにある、と私は常に考えています。


 どの様なスタイルのミュージシャン、音楽家であれ、真に優れた音楽家かどうかは、この即興の能力と、コミュニケーション力の技量によって、はっきりと二者に選別ができるのです。


 ミュージシャンとして、これがある人が本物であり、これが無い人は偽物だ、とはっきりと明言できます。


 それは、これまで多くの異ジャンルの第一線のミュージシャンと接してきた、永年の経験から来る私にとって、どうしようも無い真実です。


 現在では譜面を再現し、命を吹き込むクラッシックの音楽家でさえ、その古の作曲家達本人は、ほぼ例外無く、比類無く素晴らしいインプロヴァイザーでした。モーツァルトも、ベートーベンも…。


 また、現代の最先端、ポップス、ロック、ハイテクノロジーなシーンに携わるミュージシャン達にも、これはやはり適合されます。制作現場の最先端は、やはり一瞬の閃きがその場、その瞬間に形を成してゆく事によって作品が生まれるからです。どんなジャンル、楽器のミュージシャンも、世界の第一線に立っている人は例外無く素晴らしいインプロヴァイザーです。


 概して今の若いアマチュア・ミュージシャンの方にこの側面が現代の環境のせいか決定的に足りていません。また、そうした部分の真の重要性は、あまり認識されていない様に見えます。


 しかし、音楽というものの真実は、古代から、そして未来まで、決して変わりはしないでしょう…。


 一瞬の、刹那の感情を、音にして思うがままに、誰かに伝えること、それが音楽です。それが刹那を捕らえる即興で無い筈があろうか?


 歴史上の全ての名演奏は、その即興性にこそ核心があります。


 本物の生きた音楽の精気は、ほんの一瞬、刹那の人の感情、機敏、を捉えることができた瞬間に生まれえるのです。


 どんなにテクノロジーが進化しても、この部分だけは永遠に普遍であり続けるでしょう。


 この技術やマインドを、この機会にぜひ生で詳しく学んで欲しいと思います。





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2017年03月17日

The Art of Tea


 The Book of Teaを最近熟読しつつ、"全〜〜っく頑張らず"にお抹茶を一服、午後の陽気で楽しんでいて、ふと気がついた。


 これだ。これが元ネタだったのだ…。。


 モノクロで、足を組んで座るMichael Franks。それは家具も何も無い自宅で座る禅僧風情の'82年のSteve Jobsの写真に何処か似ている。この世代の西海岸、インドの導師にもヒッピーにも飽きた70年代半ば、最も趣味の良い、センスの良い精神的な世界観は日本の禅だった。奇しくも禅を詳しく西洋に説いた鈴木大拙が渡米した同年(1906)に、茶の本はNYで出版されている。



 東京でも業界人に特に人気の高い"The Art of Tea"はAORを代表する傑作だけれど、それは決してヒットチャートの首位を独占したとかいう業績ではない。


 無駄な力が抜けた、しかも惚れ惚れとしてしまう極上の職人技が、プロデュースワークからソングライティング、各プレーヤーの演奏技量、全てで奏でられている。


 全然、"頑張って"いない。しかも、極上に素晴らしい。


 以前から、この感覚はなんだろう?と不思議に思っていた。どんなフィーリング、何がこれを支えているのだろう?…と。

 普通はアルバム制作、しかもデビュー作とも成ると、もっと"頑張って"しまう。時代の情報や色を過多に詰め込み色合いのきついものに成りがちだ。これは日本でも海外でも同じ。


 この音源と、岩波文庫の翻訳本『茶の本』は、自分の中でまったく繋がる糸の無い物体だった。せめて元タイトルの"The Book of Tea"とだけでも表紙に書いてあったら、もっと早く気づいただろうに…。。


 AOR好きの多くの日本人ミュージシャンやリスナーがそうであるように、何よりもLarry Carltonのギターの絶妙さ、 Crusadersのメンツ、David SanbornMichael Breckerの素晴らしさ、ソングライティングの粋さ、Al Schmittのエンジニアリングの巧みさ、そうしたAORの職人技のみにその話題の中心がいってしまっていたけれど、、そうでは無い。そうでは。


 岡倉天心のあの言葉こそ、この世界のインスピレーションの源泉に違いないのだ。

 地球をぐるり、と回って、再び日本にやってきたその正体を、私達は無意識では感じとれても、知識や教養を欠くと理知として感覚を掴めない。つまりは創作の世界に転嫁し具体化してゆけない。私が読書会に拘る理由も、これだ。唯の音楽馬鹿じゃ芸術創作ができない。

 事実、Michael Franksはこのアルバムのデビュー以前、彼は大学でアメリカ文学の修士号を取得して教鞭もとっていた。米文学、それもカウンターカルチャーと日本の禅の深い関係に触れてない筈がなく、そうでなければ、あの詩的で難解なセンテンスの翻意など掴めよう筈もない。すでに、現代日本が遥かに遠ざかってしまったあの深い心の知性を…。



そう…

Let us dream of evanescence, and linger in the beautiful foolishness of things.

この詩的なセンテンスをもしも音にすると…これ、さ。




ちなみにMフランクスが14歳の頃に初めて手にしたのは日本製ギター(Marco Polo=Guyaの米ブランド名)なんだって…。因縁だね。





posted by サロドラ at 07:07| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月07日

Jeff Beck

 







 神



 



 







 …。。。










 2/3 節分。それは申年最後の日。


 昼頃に起きたら友人のpコリが迎えに来てくれて、近くの神社に参詣して正月飾りをお炊き上げ。ハレの日よろしく空は晴れまくってる。




 ……で。リアル生き神様のダルシャン(拝謁)に預かることに。


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 ヨットハーバーの近くのボサノバのお店にpコリに導かれて、休憩。


 なぜか成り行きでボサノバのセッションを。たまたまふらり、と初めて入った店でギター弾いてくおれは、やはりギター弾き、と密かに思った。

 とても素敵なお店、オーナーさんでした。


 ヨットハーバー、港になんて似合うお店、音楽!? やはりそこではナイロン弦ギターで、ブラジルの音世界が奏でられるべきなり。

 しかも当然、と言うべきなのかオーナーさんも私と同じくカエターノの大阪公演には足を運ばれたらしい…。しかも、私と何気にご縁のある方々と、なんかしっかりと繋がってるらしく…。。全く不思議なものです。


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 で、何か訳もわからず、すでにビールやらワインやら2、3杯飲んで、出来上がってる私でありまして(笑)



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 このお店は、ポルトガル語で『〜の、風』という名。

 そう…、音楽は、人生は、たった一瞬間そよぐ、風のようなもの…。





 ホテルにチェックして、ゆるゆると会場へ。時間余ってるのでよく行く店で高級ギターの群を眺める。

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 このアンプ、前からほんの少しだけ気にはなってるね…などと、つい為体で良からぬ事を思う、おれ。…やはり永年の習性は変えられぬ。。。


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 いよいよ神に。

 昨年の地震、雷、火事、おやじの、凄い申を〆る神は、世界でこの人以外にはあり得ぬ。


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 会場前に並んでるとまぁ、自分達も含めて年季の入った皆様だこと!(大笑い)。何かしら弦を触って離さぬ、というおっさんだらけだろ、こりゃ。J Beckさまが、奇麗どころの若いお姉さん方のメンバーを連れてくるのは実に正しい事だと思いました。



 神 登場



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 いや、正直、レビューめいたものは、あまり言う気も起らない。生きる世界遺産、いや歴史遺産を眺めた後、何言っても陳腐な言葉にしか成らん訳です。

 敢えて言うなら今日、私の印象に強烈に残ったのはサム・クックのカヴァーや、新曲のマイナーブルースなどでした。…これだけで、充分に全てを語った事に成ります。


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 往年の名曲は、ナマ神技のナマ音にもう聴き惚れて、呆然と手も足も動かない私である。

 辺りをきょろきょろすると、皆、写真や動画撮ってるので、おれがわざわざ…と思ったので、唯一この曲だけ、こっそりコンデンサーマイクを仕込んで撮り、生の耳元で聴こえた音そっくりに音質調整をかけてyoutubeに。…でもあの美麗なトーン。弾いてる真近くの生で聴く音は、もっと、もっと、激しく、繊細で、美しい。





 冒頭のこの曲、C・ミンガスの書いた曲、マハビシュヌなどを始める前のJ・マクラフリンがアコギによるギター・カヴァー演奏した名トラックがありますが、ただヤードバーズでロック演ってたJ・ベックが今の音楽スタイルを創った発想の原点とは、この曲だと思います。

 このギターデュオでのプレイとはその再現です。

 今のJ Beckのあのアームを多様した独特の音律の感覚は、インド音楽から多大な影響を受けて創り出したJ・マクラフリンが弾き出すギターの感受性に、年齢を重ねるごとに非常に親近してきているのが、90年代発表の続いて演奏されるBrush with the blues(意訳:Bluesによって描く)を聴くと、とても解り易いと思います。常にアーム・アップ、ダウンさせながら弾くそれが本当の理由です。その境地に達しているギタープレーヤー、また他の楽器奏者は全くいません。唯一無比です。



 …しかし良い時代ですな。。ナマで聴ける、その映像も客席各地からのショットを速攻鑑賞できる。もはやtvやラジオ放送も何もいらん。



 一つだけ無断で貼らせて頂きます。この曲はやはり涙無しには聴けなかった…







 最高の申の大晦日である。

 ふらりふらり歩いてるとこの辺りはお寺も、非常にお洒落ですね…。盛大に除夜の鐘でもついてやろうか、とふと思った。

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 で、超絶美味いもの(この辺りでこの季節にだけ捕れる幻の高級魚)喰って、しかもam0:00の年開けの瞬間は、やはり超絶美味い酒を飲んで本当の酉年を迎える。


 超絶、乙。

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2016年12月24日

真実のクリスマス


 真実シリーズも今年はいよいよ佳境に入ってきた感もあります。


http://bit.ly/2gjiWci

12/24(sat)

7閃光

☆salon d'Orange music society LIVE2016★



 今回は7閃光という申年のイメージを主題として、副題にブルース・スターウォーズ・プロジェクトの記念すべき第一回目のライブを敢行。全てを直感とインスピレーションのみ、目を瞑ってフォースに任せるという手法。

 全体の流れを静観してると、これはどうやら予想以上な大変に素晴らしい結果を…。


 で、その締めに前日の朝、寝てたら私自身に突然、稲妻の様な直感が走り、むくりっ、と起きて、オープニング映像を小一時間で制作。これが自分で観ても大爆笑する絶妙過ぎな出来映えで…。


 が、その映像からライブをスタートさせようと思って会場入りすると、やはり突然に事件が! オルガン常設のプロジェクターは完全に死亡状態で、急遽自前で用意。これまた結果、これでこそ大変に良かった。




 pm7:07:07本番開始。


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 少し私から皆様にご挨拶をして、チケットの閃光ライトセーバーを客席皆さま全員の腕に装着して頂いて、突然閃いたオープニング映像から開始。


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 で、本当はここで、私の開発コード"クジラ"の一部を見せるつもりであったのだけど、はるか、全、然、無理。。。

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 初代スターウォーズ制作時のルーカスと同じく困難に次ぐ困難な状況で延期。

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 なんだか仕方がなく(?)、やはり今年、申年に相応しい、"言の葉の庭"の主題にもなった万葉集の和歌を、ポエトリーとして皆さんに詳しく解題して、楽器借りて即興演奏で歌った。でもこれは、現代の日本語言語発音、現代の音楽ロジック。これはこれでよし。"心の世界"が正確であれば良い、と思う。

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思えば、これと同じ表現方法を採っていたバンドこそ、60年代後半のブリティシュトラッド・ユニットのPentangleだったね。


 終演後、恒例のX'masパーティー。今年は私の特殊な好みで砂糖不使用のプレーンケーキに苺をトッピングして。みなで賑やかに盛り上がる。


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 除夜の鐘は、仏教の108の煩悩の罪を顧みて消す伝統儀礼だけど、今回のクリスマスの7ライブは、キリスト教の7つの大罪を消す独特な音楽儀礼だったのかも…?
 

 と、ふと思った。。

(よくはわからん)


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今年は全てに於いて偽物を許さない本物指向なさろどらである。が、ゆえ、中世の時代1555年。日本で最初にクリスマスが始まった、本当の場所へ。

 フランシスコ・ザビエルが2年間庵を結び、そして中也の祖父が再び復興した、その静謐な場所。


 十字架に自然にひざまづいた…(ひざまつかされた)。 





 …………誰も、いない。




 いつも本当の事、本物の真実は、なにか安易には人をよせつけない何かの力が働いてる…。これでいいのさ。

 イエスも、ザビエルも、中也も。彼らと時を同じく過ごした人のいったい何人の誰が、その本物の魂を見抜いていただろう…?

 今年のクリスマスの"誰そ彼"時、此処こそが日本で一番相応しい真実の場所…。
 


 




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2016年12月16日

12/24(sat)7閃光 ☆salon d'Orange music society LIVE2016★


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12/24(sat)
pm6:09:08open pm7:07:07start



閃光



☆salon d'Orange music society LIVE2016★
@Organ's Melody



ticket adv2000 door3000 (+1drink order)チケット予約 お問い合わせ
SALONDORANJU MUSIC TEL 0839280389
Mail xalondorangemusicsociety@gmail.com  
冒頭xをsに変換してメールください。(通常のメアドは現在休止中ですのでご注意ください)




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申年(詳しくはこちらを参照)を締めるのに相応しいライブです。今回は"7"がコンセプトです。

こちらも昨年の内容を更に超えていきますので、どうぞ皆様ご参集くださり、皆様、天啓に光輝いてくださいまし。

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今回のポスター(?)。昨年から凡庸な紙宣伝に飽きたからなのだけど、ますますオブジェ風に。。今年ここにサンタが運んで来るのは、ずばり!我が真の日本!!! …しかもキャンディー付き(笑)。

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こちらは今回のチケット。名付けて"閃光ライトセーバーチケット"。
こちらも実はblues star wars計画の一環。
しかも偶然、今日から本当にstar wars新作の公開封切りだったりして…。。(別に狙ってないです)



さて、Star Wars観にいくか…。。May the force be with us...





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