書店でふと見つけて読んだ『ECMの真実』という本。ECMレーベルの舞台裏を様々な証言から記してあります。良書ですね。装幀デザインからして実にかっこいい。。
高校生の頃、いきなり黒人のジャズを聴いてたけど、その当時黒人音楽の本質は自分には全然入ってこなかった。マイルスなんて、宇宙人みたいな変な年寄りにしか見えなかったし‥(笑)。
そんな折、ECMの数々の音源は無理せずに聴けるジャズでした。
しかしBluenoteレーベルのオーナーもドイツ人で、ECMもドイツ発祥のインディーズレーベルだというのは面白い符号です。50年代〜60年代を席巻したのも、70年代〜80年代を席巻したのも、ベルリンとミュンヘンの青年の功績な訳です。
読んでいてハッとさせられた言葉を幾つか。
まずオノセイゲン氏に語ったという言葉。特にエンジニアの人にこそ、これは金言です。音楽とは感情を時間軸に織り込んだもの、という言葉、これ、本質中の本質ですね。
『繊細な事をお話しましょう。芸術的メッセージの内容とその評価。望まれるならば、それらは真摯な芸術的マナーに従い、音として変換されているのかどうか‥。申しておきたいのは、「音楽」とは単なる音ではないのです。ただし音を介して「感情を時間軸に織り込んだ」もの、それこそが「音楽」なのです。』
アイヒャ−自身の記した序文から。創造を行為する者にとって、こんな美しい言葉はありますまい。。
『ECMの将来について語る代わりに、ヴァレリーの言葉から引用しよう。「明晰さ以上に神秘的なものが存在するだろうか。つまり、ホレーションよ、哲学の中で夢見るものより、はるかに多くのものが天地には存在しているのだ』
ところで、70〜80年代の尖鋭がこのレーベルなら、90年代以降、これに匹敵しているレーベルは、イギリスのWarpでないでしょうか?
http://warp.net/ Bluenote - ECM - Warp の流れこそ、時代の尖鋭を世界に頒布した良質なレーベルではないかな。それぞれの音楽テイストは違うけれど。でも創造性に賭ける人間の種類、としては同じ種類の人達だな‥と感じます。。そしてそれはインディペンデンス性に満ちているね。。一人のカリスマが創るもの、そこにこそ信頼できる創造性がある。